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- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048933384
感想・レビュー・書評
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『狼と香辛料』という壮大な絵巻を描き切ったからこそ、この『羊皮紙』でホロとロレンスが歩いてきた軌跡をなぞるようなこの物語は胸にくるものがある。さらにこの3巻では『香辛料』では描かれなかったもう1つの世界が存在することが明かされる。辛い世界からは目を逸らす老獪さを持っているホロとは違い、ミューリはどんな世界だってこの目に納めてやろうというお転婆ぶり。僕はこの物語を、中世ヨーロッパの動向をなぞりつつ宗教改革の中でコル坊とミューリの奮闘を描いていくものだとばかり思っていたため、今回描かれた新たな可能性にはワクワクしないわけない。でもね、もし新大陸編を書くならこの物語が完全にファンタジーになってしまいそうで。『狼と香辛料』の魅力って中世ヨーロッパの商業を舞台に、その裏で存在したかもしれない"人ならざる者"とそれに惚れた青年とが人目を偲びながら育んだ言わば背徳的な恋愛模様だったわけ。それが"人ならざる者"が当たり前に存在している世界のお話になってしまったら、それはなんか違うなぁって。まあ、ファンの勝手な戯言なんだけど。
エーブ、ヒルデと懐かしい面々が登場してきて、『香辛料』をより感じられるようになったこのシリーズ。早く4巻をば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
狼と香辛料.第二世代の冒険の3作目。徴税権と新大陸を巡るゴタゴタに巻き込まれる話。現在も手形がぐるぐる回る話はあるが、国が徴税権を売り払う話は昔からあったんだなあ。