ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学 (1) (電撃文庫)

  • KADOKAWA (2018年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784048938006

作品紹介・あらすじ

僕はパニックキュート。人々の間に混乱と恐怖をまき散らして、その後で安心させて社会を安定させるのが仕事だ。人間なんて目先の感情でしか動けないんだからチョロいもんさ、って思ってたんだけど、どうも変なヤツがいるらしい。人が人生で一番美しい瞬間に現れる死神が、この支配を揺るがす可能性があるみたいなんだ。女子高生の噂話の中でしか現れない、そいつの名はブギーポップ。ここはヤツと直に話をつけなきゃならないようだね。手伝ってくれないか、末真和子さん――人類を過剰進化から守護する統和機構にあっても異質な能力が、都市伝説の黒い影を追うとき、取り返しのつかない虚無への扉が開く。奇妙な帝王学に導かれた異形の観念のもとで、世界が選ぶのは透明な絶望か、無明の死神か……?

みんなの感想まとめ

テーマは混乱と安定を巧みに操る主人公の成長と、彼女が直面する死神の存在です。物語はリズミカルで読みやすく、展開もスムーズである一方、オチに関しては予測可能な部分があり、逆に好感を持たれることもあります...

感想・レビュー・書評

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  • “世界には、あるべき美しい姿がある。それから外れたものは、醜く腐り落ちる前に排除しなければならない”
    それが統和機構の幹部であるパニックキュートの方針だった。彼は任務の中で死神“ブギーポップ”の噂を聞きつける。

    “その人が人生の中で、もっとも美しいときに、それ以上醜くなる前に殺してくれる”
    自分と似て非なる存在は、はたして敵か味方か。噂の真偽を確かめるべく街を訪れた彼が出会ったのは、博士こと末真和子だった。末真は世界の秘密を知らされたあげく、ブギーポップ捜しを手伝うことになるが──。ブギーポップシリーズ22巻目。

    すべては模試で奇妙な結果を残してしまったことから始まった。末真自身もどうしてこうなったのかと首をかしげる中、須賀聖良子(せらこ)と江成泰征(やすまさ)によってサークル活動に勧誘される。強引なサークル勧誘についていってもロクなことがないのは現実でも同じ(笑) 少し前の正樹と綺と同じように、末真は統和機構内部のゴタゴタに不可抗力で巻き込まれてしまう。

    いったんは落ち着いたと思いきや、次に登場したのは謎のグラサン二人組! パニックキュートと補佐のマロゥボーン! こいつら怪しすぎる! なんやかんやあって、末真はブギーポップ捜しに付き合わされることになってしまう。後戻りできない情報を知らされたのにもかかわらず、落ち着いている末真の貫禄よ。パニックキュートとの美学や帝王学のやり取りが面白い。ここまで末真メインの話ってなかったような? 会話の駆け引きというより、押し引きが上手くて好き。自分の間違いは潔く認めるのがいいよね。

    混沌へと引き入れるパニックキュートはもちろん、街をほどほどに手を抜きながら監視しているポリモーグのキャラもよかった。スプーキーEと真逆な雰囲気。ぜひ再登場してほしい。いわゆる統和機構絡みの話の方向性は決まった巻なのかなと。もっと詳しいことが知りたかったら、スピンオフ制覇しないとパズルのピースは揃わないっぽい? 末真の傍に藤花がいるのは、最も危険になりうる対象だからっていうのもあるのかな? 統和機構と末真、さらにブギーポップとの関係性がどうなるのか。


    p.11,12
    「欲しいものが手に入らないのは、幸せなことなのさ。人間はすぐに飽きる生き物だ。死ぬほど欲しがったものでも、結局いつかは捨てる」
    「なるほどね」
    「だから世界は、捨てられたもので溢れかえっている。誰かが“いらないや”って放り出したものを、別の誰かが拾う。でもそれは結局いらないものなので、やっぱり捨てられる。するとまた別の人間が拾って──そうやって世界は回ってきたし、文明はそうやって拡大してきた。人間が叶えたい夢だと思っているものは、大半が別の誰かの捨てたゴミ、飽きられたオモチャの廃品回収なんだよ。だから──文明は後の時代になればなるほど、文化が発展すればするほど、不満がたまっていく。こんなはずじゃないって思う人間が増えていく。そりゃそうだ、彼らには自分自身の夢ってモノがないんだから。全部過去からの拾い物で、己で生み出した物なんか何もない」

    p.46
    「ていうか、さっきから変なことばっか言ってますよね──選ばれた、選ばれた、って、いったい誰に選ばれているって言うんですか? 神様ですか? いや神様だったら、そんなすごい存在からしたら、きっと人間なんてみんな同じような馬鹿ばっかりにしか見えなくて、そこに上だの下だの、そんなみみっちい区別なんてつけられないと思いますけど──うん」

    p.59
    「そう、誰だって同じ──自分ではどうにもならないことに縛られてる。いつのまにか、自分の意思とは関係のないところで決まってしまったことに、あっちこっちへ動かされる──自動的に」
    窓ガラスの中から、悪戯っぽくウインクしてきた。
    「肝心なのはきっと、それに負けないこと。自動的であることを言い訳にせずに、自分の生き方を見つけようとすること──君は、それができていると思うよ、ぼくは」

    p.88
    「科学の基本姿勢は“まだわからないことがある”で、信仰は“とにかく信じればなんとかなる”だから、わたしは科学側にしかなりようがないわ。わからないことだからけだもの、世の中って。あんたたちのことだってわかんないんだし」

    p.203
    「そう、僕らは誰しも、自分たちの夢やら願望やら、様々な犠牲の上にしか人生を成り立たせられない。だからその犠牲になったものたちへの敬意を忘れた瞬間、僕らはたちまち醜い存在に堕してしまうのさ。美しくなることを放棄して、ね」

  • 読みやすく話の展開もリズミカルでよかった。
    オチはなんとなく途中で読めてしまったけれど、奇をてらっていない分だけ逆に好感度が高い。とはいえ、ヒロインのこれからに繋がる途中の物語で、これまでと次が前提になっているので食い足りない感はある。

  • 末真、統和機構に絡みすぎって思ったけど、どうなのかな。

  • カレイドスコープといえばグレーのスーツじゃないのかよー。
    序盤は面白かったけど終盤いつも通り理屈っぽくって失速した感じ。
    ここから酸素までどのような変遷があるのか気になる。書いてくれるのか?

  • 末真和子が主人公のお話。
    彼女は今後の話の中で超重要人物なのだろうから、それを軸にさっさと話を勧めてくれよ、と正直思った。

  • 末真は統和機構の要職なのだろうか。何やら組織が御執心のよう。
    合成人間は後発的に能力出るのだったか。色々こんがらがっている。
    物語を進めるというより、それぞれの哲学(信念?)の闘いになっている。

  • 人間は二つの気持ちに、常に引き裂かれている。周囲から浮き上がりたくないくせに、誰とも似ていない独特な存在になりたがっている。この二つは完全に矛盾しているのに、人間はその二つを抱え込んで、どちらも捨てることができない。皆が同じジレンマに縛られていて、だから本質的に、心から他人を認めることができないのが、人間なんだよね。

    世の中というのは、そのありふれた人間によって出来上がっているんだ。だから逆に、幼稚であることと、真実であることは矛盾しない。むしろ逆に、幼稚な理論で社会が構成されているんだ。

    ブギーポップの噂に信憑性がなあ、という君の意見は正しいだろう。だが世界の方は、その君の正しさに合わせてくれるわけじゃないんだよ。

    世界は基本的に、無意味だ。人が色々な価値を生み出さない限り、なんの道理もない。美しさというのは、世界に意味を持たせる作業なんだよ。

    それは世界を、その中にある様々な問題を、自分のものとして考えることさ。世界というものが自分とは無関係に回ってるものだと思わずに、我がことてして、その中で帝王として何をなすべきか自覚する、そういうやり方のことだよ。


    相変わらずもはや話はよくわからんけど、今回はなんかぐっとくる言葉が多かったな・・・

  • 博士こと末真が中心となるので、彼女らしい物語運びになっている。物語を支配するパニックキュートが捉えどころのない描写だったので気になったのだが、なるほどそう言うことかと。非情で完璧で世界のバランスを保つ合成人間がふと見せる人間らしさ。それが今後の話でも見えてくるのだろうか。

  • 久々にブギーポップ
    藤花ってこんなキャラだったか
    なんか内容が薄い

  • パニックキュートとマロゥボーンはブギーポップの噂をたどって、末真和子に近づく。
    ブギーポップをおびき出すために末真和子に「一番美しく輝く」ことを求める。
    パニックキュートの正体とマロゥボーンの力を暴き、カレイドスコープの助けにより窮地を脱する。
    マロゥボーンは世界の敵となりブギーポップと戦う。

  • これも惰性になってきたなぁ。着地点もいまいちこのシリーズでやるところかなぁ?と。
    身バレしてるのでこの先がどうなるか。

  • 久しぶりにがっつり末真の話。

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著者プロフィール

第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。『ブギーポップは笑わない』ほかシリーズ著作多数。

「2019年 『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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