七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 225
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048938532

作品紹介・あらすじ

人付き合いを避け生きてきた高校生の内村秀は、ある日クラスメイトの飯山直佳が落としたUSBメモリを拾う。その中身、「遺書」を見てしまったことから、奇妙な交流は始まった。やがて秀は直佳が進行性の記憶障害を患い、自殺を願っていることを知り……。
「君が死ぬときは、僕も死ぬ。それが嫌なら君は生き続けろ」
「……内村くん、すごく馬鹿なこと言ってる自覚は?」
 約束に隠された本当の想いを知った時、きっと最初からページをめくりたくなる。切なく美しい物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「透明」っていうのは、いい感じですね。
    でもなんでだろー?

  • 作者曰く「タイトルの月が入っているシリーズ」の自分的2冊目。
    いわゆる難病話。
    前回読んだ月シリーズも難病話だったけど、個人的には少し苦手。
    人が亡くなって終わる話はやっぱりきつい。

    題材的には、記憶がどんどん思い出せなくなっていくという、これまでも割とよく扱われるお話。
    なので何となく展開は読めたのだけど、一つ作者に見事に騙された。
    冒頭、少女の自殺のシーンから始まって本編のヒロインがその彼女だと思っていた。
    でも途中で別人だとわかって、じゃあ、どうなるんだろうと。
    それでも暗い予感がひしひしと感じられて次を読み進むのに胸がドキドキと苦しくなった。
    そしてラストで明かされる真実。
    あー、そうだったのかと思った。

    でも難病話にしては大きな激情も熱い展開もなく全体的に割と淡々と語られる。
    それもあって本文中にもあるような「透明」な印象を持った。
    ただ、それがちょっと物足りない。

    唯一、屋上で主人公がヒロインに生きろという場面
    「君のテロメアが尽きてなくなるその日まで僕の声を聴き続けろ」はいい告白だと思った。

  • 言葉選びが結構好みでしたねぇ

  • とっても心が温まりました
    最後彼女は死んでしまうのであまりいい終わり方だとは言えませんがとっても心が温まります

    偶然彼女のUSBを拾ってちょっとした興味で中身を見てしまい関わるはずのなかった2人が打ち解けていくのです
    次第に彼の過去のトラウマも明らかになっていき
    そして最後に全てが繋がります

    彼女が死んでしまうのは悲しいしできれば生きて
    エンディングを迎えてほしかったですが
    流石にそれだと現実感がありません
    (私は助かるはずのない病気が奇跡的に治っちゃう系は
    あまり好きではありません)(好きな人ごめんなさい)

    人生が楽しく充実しているかどうかは
    必ずしも人生の長さに比例しているのではないと
    感じました
    短い人生を一生懸命、精一杯楽しんで歩んだ彼女に
    そしてそれを受け入れ支えた彼の姿に
    私はとても心が温まりました

  • 例え方がすきです。

  • 凄く言い回しが好きです。
    寿命じゃなくて、テロメアと言うところとか凄く好きです。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★☆☆ 3
    「可読」★★★☆☆ 3
    「作家」★★★☆☆ 3
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》72 B-

  • よくもまぁこれほど質の高い青春小説を次々と量産できるものだ。    
    素直に尊敬する。    
    今回は、ちょっとムカつくタイプの主人公だったが、総合的に面白かったので良し。

  • 最近こんなのばっかりね。

  • 【記憶を失いつつある少女と交わした約束――。結末を見届けた時、きっともう一度読み返したくなる。】

     人付き合いを避けて生きてきた高校生の内村秀は、ある日クラスメイトの飯山直佳が落としたUSBメモリを拾う。その中身、「遺書」を見てしまったことから、奇妙な交流は始まった。やがて秀は直佳が進行性の記憶障害を患い、自殺を願っていることを知り……。
    「君が死ぬときは、僕も死ぬ。それが嫌なら君は生き続けろ」
    「……内村くん、すごく馬鹿なこと言ってる自覚は?」
     約束に隠された本当の想いを知った時、きっと最初からページをめくりたくなる。切なく美しい物語。

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著者プロフィール

「サマーランサー」にて第19回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>を受賞し、デビュー。瑞々しい感性で描かれる青春小説に定評がある気鋭の作家。

「2020年 『17歳のラリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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