日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049131840

作品紹介・あらすじ

「――わたしのお願いは、絶対なの」
 どんな「お願い」でも叶えられる葉群日和。始まるはずじゃなかった彼女との恋は、俺の人生を、世界すべてを、決定的に変えていく――。
 ほんわかしていて、かわいくて、どこかちょっと流されがちで。
 それなのに、聞いてしまえば誰も逆らう気になどなれない「お願い」の力を持つ日和と、ただの一般人なのにその運命に付き添うことになってしまった俺。
「――でも、もう忘れてください」
 世界なんて案外簡単に壊れてしまうのに、俺たちの恋だけが、どうしても終わってくれない――。
 これは終われないセカイの、もしかして、最後の恋物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「お願い」をすることで、他人に言うことをきかせる力を持つ葉群日和と、そんな彼女と恋人になった頃村深春の恋物語。世界の危機に立ち向かう特殊な能力を持った少女と、それを見守るしかない普通の少年とか、まさに王道の「セカイ系」ストーリー。王道、実に良い。好き。『三角』5巻のあとがきで岬先生が「ずっと書きたかった」と述べている本作ですが、今回はイントロという感じでしょうか。深春の幼なじみの卜部さんが果たす役割も気になるし、この先どのようにお話しが膨らんでいくのか楽しみです。透明感のあるイラストも素敵な作品でした。

  • 主人公に好感が持てない。
    なんでなんでこのヒロインはコイツに惚れたんだろうか?
    冒頭で自分の性格と真逆で自分にないものを持っているから、とあったもののそれだけ?と思ってしまう。

    中盤までの主人公への印象ははっきり言って悪かった。
    日々ニュースサイトを眺めている程度で賢ぶっている背伸びした高校生で終われば良かったのだろうが、日和の秘密を知って世界を動かせる人間になれるかも、という高揚感を得る。ここは理解できる。理解はできるが読んでいて気持ちがいいかは別だ。
    告白された当初は「初恋は真に好きになった子がいい」と清純な事を言っていたものの日和の秘密を知った途端に告白を受け入れる。
    元々日和の事をよく思っていたのは分かるが、これは秘密目当てで付き合ってると思われて当然じゃないか。
    後々「お願い」を使ったから、と言われても印象は覆し難い。

    中盤で主人公は自分を監視していた組織の構成員を「顔写真撮ってネットにあの組織の構成員だと言ってばら撒く」と脅していたが、正直ドン引きだ。ゲス系で売ってるなら分かるが清純っぽいこと言ってた主人公の言うセリフじゃない。日和が心配だったが故の行動なのは分かるしハッタリで言ってるのもわかる。その上で引く。
    自分の彼女が作った組織の構成員に対して組織の秘密をバラすぞ、と言った脅し方をするのはどうにも彼女を尊重していない。
    仮にも日和の彼氏なら「彼女の組織の秘密をバラしても良いんだぞ?」みたいな脅しはして欲しくなかった。

    某国の特殊部隊が学校を襲撃した際の行動は、まぁ分からんでもない。なんの訓練もしてない主人公だが衝動のままに凶弾の前に踊りでんとするのは若さ故だろう。もっともコンビニ強盗に遭遇した際にはビビりまくって一歩も動けなかった事を考えると、進歩という言葉よりも先に一貫性がないという考えが浮かぶけれど。
    それ以上に気にかかったのは「今日は深春君がいなかったらどうなってたことやら」「拡声器なんてアイデア、わたし達じゃ絶対出なかっただろうし」という部分。
    組織のメンバーに元官僚や自衛隊がいるんなら普通真っ先に思いつくだろうが。なんなら読者の半分以上はすぐに思いついただろう。ちょっと持ち上げすぎじゃないか?

    で、「辛さだけ消してあげる」という日和の発言を拒絶するわけだが、そうなる気持ちは分かるけどそれをして良いのはモブキャラまでじゃないだろうか?
    曲がりなりとも主人公なのだから受け止めてほしい。

    で、記憶を消された後に彼女がいた事を幼馴染に言われて思い出す、というトリックだがこれも捻りがない。
    幼馴染の卜部さんはこのトリックの為だけに存在したのかな?と言いたくなる。主人公の属性付けや箔付けの要素しかなくないだろうか?

    最終的に再び告白してエンディング、となるが結局お互いがどこに惚れたのかいまいちスッキリしないまま終わってしまった。
    日和ちゃんはマジでコイツのどこが良いんだ・・・?
    即決即断な性格と言えば聞こえはいいがハッキリ言って短慮も短慮じゃないか・・・?

  • 面白かった
    物語としてはもちろん、本のつくりとしても格好よかった
    特に第一話がアバンみたいな構成なのが印象的で、そこから一気に引き込まれました

  • 「わたしと付き合ってください!」
    ある日、尾道のごく普通の高校生・頃橋深春は、同級生の葉群日和から告白される。
    しかし彼女の「お願い」は誰も逆らえない強制力を持っていて…。
    告白、デート、幼馴染。
    軍隊、テロ、〈天命評議会〉。
    知らない間に激変している情勢と、そこに深く関わる彼女。しかし物語の中心はいつまでも、彼と彼女の恋愛に終始する…そう、これぞ、まさに「セカイ系」……!おお…なんか懐かしいこの感じ……。
    基本はふわふわした初々しいラブストーリーなのだけど、ヒロインのバックが物々しい。何とも言えない不気味さと温度差にぞくぞくする、きれいにまとまったセカイ系だと思うのだけど、続くのかな…
    今後の主人公の活躍に期待すべきなのかもしれないけど、むしろあんまり手を出そうとされるとハラハラしてしまうぜ。蚊帳の外感はセカイ系だからねしょうがないね。
    しかし問題は幼馴染だ…そう、幼馴染……。やめてくれ……ううー幼馴染を三角形に入れるのはやめてくださいつらい……。

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈電撃文庫MAGAZINE賞〉受賞。同受賞作『失恋探偵ももせ』でデビュー。以降、電撃文庫・メディアワークス文庫で青春小説を中心に執筆。

「2023年 『あした、裸足でこい。3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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