水の後宮 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049139549

作品紹介・あらすじ

 入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。
 大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。
 宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。
 水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 中華風の後宮話だが、脳内イメージは寧ろヴェネチアに近かった。
    水の街で、足代わりに船が頻繁に行き交っている。
    でも、中身は後宮らしくドロドロとした嫉妬と陰謀が渦巻く街である。

    水鏡と文青の関係性が本編では中盤以降にならないと見えてこないのだが、粗筋に酷いネタバレがあるのが少し残念。
    あの二人どうなっているんだ!?とヤキモキするのも、この作品の楽しみの醍醐味だと思うので。

    商人の娘かつ姉の死の真相を探るためにやってきた水鏡が主人公なので、後宮内では変わり者の立ち位置で様々な事件を解決していく。
    ミステリ部分が予想よりしっかりとした内容だったことに非常に驚いた。
    しかも次から次へと事件が起きるので、落ち着く暇もない。
    それだけ多彩な事件、しかも本格的な謎解きができる事件が起きるので、ミステリとしてもしっかり味わえる作品。

    次第に協力者も増えていく水鏡。
    ただ姉の死の真相が見えてきて、黒幕にももう少しで手が届くというところで、まさかの展開。
    完全解決とはいかず、寧ろ姉の死の真相については、更なる謎が出てきて終わるという。
    これは、続きを想定した話か。
    水鏡と文青の不思議な関係性の進展も欲しいところだし、是非続編を期待したいところ。
    少なくとも、あの黒幕と後宮で好き勝手している某妃を引きずりおろすところまでは見たい。
    黒幕も悪役もまだ跋扈している後宮なので。
    更なる解決編、お待ちしております。

  • 静かな感じで始まりますが、仲間が増えるに連れて賑やかになっていって面白かったです。

  • 水路が張り巡らされ、船が行き交う美しい水の後宮が舞台のミステリー。想像する風景の美しさと淡々とした文章で他の後宮ものとは少し違った雰囲気を味わうことができる。が、冒頭部分が「これはもしや2巻以降か?」というような唐突な始まりなので、少々混乱するし退屈に感じてしまうのが少し難点。
    主人公が後宮に入った目的の一部は達成されたけれど、まだまだ謎は残っていそうなので次巻に期待。

  • 姉の死の真相を探るために後宮入りした商人の娘が活躍するライトミステリー。
    なんだか似たような設定のお話を前にもいくつか読んだなあと思った。
    なんというか後宮とか宮中とか言うとミステリーおおすぎじゃないだろうか?
    まあ、後宮→事件→ミステリーと言う図式で、後宮とミステリーの親和性高すぎだろうと^^ 
    まあ、でも楽しく読めたので良かった。

    驚いたのは、この作品があの『ひとつ海のパラスアテナ』や『アリクイのいんぼう』の作者の作だと言う事。
    今までの作風にはまったく当てはまらなくて、こういうお話も書かれるんだあと思った。

    物語はたくさん謎を残した形で終わったので、続巻があるのだろうか。気になる。

  • わりと情報伏せられたまま淡々と話が進むので冒頭はモチベ保つのがつらいとこがあったけど、登場人物が揃ってからは面白かったのでよかった。

  • 殺伐とした後宮で、狸才人がいいキャラしててほっとする。

  • 沢山の水路が張り巡らされた水上の後宮を舞台にしたミステリー。後宮ものは多いけど水路を小舟で移動するってのは珍しい。ヴェネチアみたいな感じかなとイメージしつつ、清涼感と後宮の優雅さと残酷さを垣間見た感じで面白かった。
    割と最初の方からキャラが多いのと、名前や固有名詞が難しくてちょっと読みづらい部分もあったけど、淡々としつつも何だかんだお人好しで可愛い水鏡や情報通でマイペースな狸才人のおかげで立ち止まらずにすんだ。最初こそ嫌な印象だった黄宮調も、途中から厳しいながらも仲間入りして微笑ましい。
    話は花舟事件と呼ばれる美しくも謎めいた死を遂げた姉の真相究明しようと、水鏡が後宮で王弟の間諜をしつつ様々なもめ事に巻き込まれていく感じ。実は知己であった王弟の文青とはほんのり両思いっぽいけど自覚はまだっぽい。一応の解決はしたけど謎が残ったので続きも出してほしいところ。

  • 後宮が舞台の推理もの。なかなか面白かった。

  •  入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。
     大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。
     宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。
     水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。

  • これから面白くなりそう、という所で終わってしまった。解決してないじゃんw 
    真犯人は誰だろうってことで続くみたいだけど、後宮にいて、皇太后よりも権力を持つって言ったら皇帝しかいないじゃんね……とか思ってしまった。まあ、そういうことなのかな。メインは文青のようだし、現皇帝を追い落として行くお話になるのかもしれん。

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著者プロフィール

◆著者
鳩見すた(はとみ・すた)
『ひとつ海のパラスアテナ』で第21回電撃小説大賞で“大賞”を受賞しデビュー。著書に『アリクイのいんぼう』1~4巻、『ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん』1~2巻、『秘密結社ペンギン同盟 あるいはホテルコペンの幸福な朝食』1~2巻、『種もしかけもない暮らし ~花森姉妹はいまが人生で一番楽しい~』(KADOKAWA)、『こぐまねこ軒』1~2巻などがある。

「2023年 『江ノ島は猫の島である ~猫を眺める青空カフェである~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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