雪蟷螂 完全版 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 336
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049146462

作品紹介・あらすじ

涙氷の降るその山脈で雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を。長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガの政略結婚だった。
しかし、その約束の儀は、世代を超えた様々な思惑が交錯することによって阻まれる。果たして、極寒の地に舞う恋の行方は……。

感想・レビュー・書評

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  • ああ、、つな、がってたんだ、、、ね

    フクロウの過去のことがすこしすこしわかってよかった。ちょうど馬車で「ルイ」がトーチカとフェルビエから遠ざかっていく時、ミミズクとフクロウはどんな絵を描いているのかな。ディアとエルザは街にでも出てるのかな。トトとホーイチはどんな会話してるのかな。

    全部全部気になる。



    この話は他の巻よりも主人公とかに拘ってなくて題名の通り「雪蟷螂」として生きる、生きた、生きてきた女性の話だった。

    それぞれにきちんとすっきりとした終わり方があって、それぞれが幸せになれるスタート地点に立てて、これから幸せになってほしくて(叔母さんについてはなんとも言えんが)尚且つ全部繋がっているのが凄い。


    ミミズクの話フクロウの話
    デュークの話オリエッタの話
    ディアの話エルザの話
    トトの話ホーイチの話
    ゼクンの話ティーランの話
    ミレイニアの話ダミアンの話
    アルテシアの話トーチカの話
    ルイの話オウガの話
    ロージアの話ガルヤの話
    魔女の話


    この綺麗で魅力に満ちた物語たちの続きをまた覗きみれたらいいな。

  • うーん…私としてちょっとだけ物足りない感じでした。設定や世界観は凄く素敵なんですが、恋愛に関しての価値観が合わなくて、なんて言ったらいいかわからないんですが、なんか物足りないって感じました。
    最後の結末もハッピーエンドなんですが、出来れば全員が幸せになる結末がよかったです。でも好きなのは好きなので、続編が出ても買うと思います。読書を惹きつけるのは、毎回流石だなって思います。

  • こんなにも世界観が確立されて、ライトな読み心地なファンタジーは実はあまりないのでは?ファンタジーのエントリーモデルとしては最適な気がする。とにかく先が気になりぐいぐい読んでしまうし、ライトノベルではあるけれど、しっかりとした骨格がある点も評価されているポイントだと思った。
    面白い…

  • あなたを、喰べてしまいたいほどに、愛している。

    ――この婚礼に祝福を。
    長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人さえ喰らうほどの激情をもつ〈雪蟷螂〉と呼ばれるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族、ミルデの族長オウガの政略結婚だった。
    しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれてしまう。
    極寒の地に舞う女達の恋の行方は……。書き下ろし異伝「悪魔踏みの魔女」を収録。

  • 最初に読み始めた時は、今まで争っていた部族同士が婚礼をきっかけに、互いに心を通わせていくストーリーなのだろうと思っていました。けれどそんなことはなく、恋人同士の甘い情景などもどこにもなく、ただ戦という中でしか答えを見出せなかった人々の、それでも深い愛情が静かに、しかし確かに燻っていたというような物語でした。こんな愛情の捧げ方があるのだなぁと、今まで甘い恋物語ばかり読んでいた自分には新鮮でした。けれどある意味とても一途で、とても誠実な愛の話だったのではないかと思います。こんな愛し方をもし現実でしたら苦しくてしかたがないのではないでしょうか。フェルビエの雪蟷螂の冷たくも激しい恋の結末に、共感することは自分には難しいですが、読了後は印象深い余韻に包まれました。

  • 人喰い三部作の第三部、私は紅玉いづきさんの言葉の魔法にかかっているのではなかろうか...そう思うくらいにドンピシャではまってしまう。毎回読む度に「これがいちばん!」と思う....
    地獄のような、楽園のような、生涯をかけた恋、というのが宣伝文句で、
    あなたを、喰べてしまいたいほどに、愛している。
    というのが裏表紙に書かれている本文。
    この「喰べてしまいたいほどに」のフランク感と「愛している」の丁寧な音並びが最高に良い。
    え、だって「ほどに」と「愛している」だよ?
    これね、試しに逆転させてみたのだけれど、「喰べてしまいたいくらいに」と「愛してる」じゃ駄目なんだよ...やっぱりいづきさんは魔法使いだ...

  • まとまっててよかった

  • とにかく白が美しい!
    美しくて厳しい自然と女性が印象に残った。
    雪蟷螂の題名回収が美しくて…最初から結末は何となく分かっていたけど想像の何倍も美しい言葉に飾られてた

  • もとの雪蟷螂も大好きだったのて即座に購入(サイン本は手に入れられなかった…)。
    改めて読むからこそわかる良さもすごくあった。以前とは違うところで泣きそうに何回かなった。
    前回は挿し絵がまたよかったから、今回ないんだなぁと思っていたけど、あとがきでそのことにも触れていてなるほどなぁと思った。
    また最後で「あっ」という気づきがあり、ほか今年でた完全版を読んでいる人はこれも読んでほしい。
    限定のSSもこのあと読むぞー!

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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