- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061341845
作品紹介・あらすじ
かつては高揚する学生運動をささえていたはずの中核と革マル。だが、果てしないその対立は、鉄パイプによる内ゲバ殺人へとエスカレートしていった。世界の社会運動の歴史においても稀にみる激烈で凄惨な両派の内部抗争の局面を、戦後の学生・労働運動の流れに遡って詳細に跡づける衝撃の実態レポート。
かつては高揚する学生運動をささえていたはずの中核と革マル。だが、果てしないその対立は、鉄パイプによる内ゲバ殺人へとエスカレートしていった。世界の社会運動の歴史においても稀(まれ)にみる激烈で凄惨な両派の内部抗争の局面を戦後の学生・労働運動の流れに遡(さかのぼ)って詳細に跡づける衝撃の実態レポート。
感想・レビュー・書評
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1960-70年代のサブカルチャー、つまり時代の空気を理解する上で革マル•中核の理解は欠かせない。
その目的にこれ以上にかなう書籍はない、と思うほど客観的な視点で起きたこと•起きていたかもしれないことが記される本書は、時代の証言として歴史的にも価値ある一冊だと思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本巻で最も興味深かったのは、実は巻末の年表である。これを見ると、両派がいかに多くの内ゲバ事件を起こしてきたかに驚かされる。
筆者も指摘している通り、両派がそれぞれ自分達の思想を狂信的に信じ、異なる思想を認めないことからここまでエスカレートしたのだろう。
現在はよく分からないが、両派ともいまだに存在し活動を続けている。 -
行き詰った過激左派。
左派でも「大本営発表」はするのだということがわかる虚しい宣伝。
日本全国で日本人が日本人を狙うテロが頻発していた時代が50年前にあった。 -
上巻に引きつづいて、中核派と革マル派の血みどろの応酬劇についてのレポートがなされています。
両者がこれほどまでに厳しい対立関係にいたった理由についての著者自身の考えは、すでに上巻で語られており、本巻ではおおむね事実関係を追いかけていくことに終始している印象です。
なお末尾に近いところで、両派に加えて公安という第三項を加えなければ事実の全体像を明らかにすることはできないとして、著者自身の考えをまじえつつ公安が両派の抗争にどのようにかかわっていたのかということを論じていますが、この点については著者の取材の中心的な対象とはなっていなかったようで、抽象的な内容にとどまっているようにも感じられました。 -
上巻に引き続き抗争史が中心(1975年まで)。それぞれの時点での両刃の方針の転換について細かな記述もあったが、興味を惹くものではなかった。
なお巻末に、1973年からの年表と参考資料が載っている。 -
[上下巻あわせて]
本書は、日本国内における左翼2団体の抗争レポートであり、それぞれの組織の成り立ちから、1960年台~70年台前半の抗争が詳細に描かれている。
念入りな調査に基づき、(少なくとも読んでいる限りには)客観的に咀嚼され、理論整然と書かれた良書である。
最近のニュースではイスラム系のテロ事件が報道されるが、日本国内の人々にとってはまだ他人事であるだろう。
しかし、今からわずか数十年前には日本国内において、
国内の左翼団体によって連日のように襲撃事件が発生していたのだと本書をもって知ることができた。
一口に襲撃事件というと軽く聞こえるかもしれないが、
例えば1人に対して複数人で鉄パイプやバールを乱打して殺害するなど、極めて原始的かつ直接的な暴力が用いられており、読んでいて戦慄する。
それも、町中や駅や大学教室などの衆人環境下において発生し、かつ人違いによる襲撃も相当数含まれており、一般人でも決して他人事でなかったことに恐怖した。 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
書斎の本棚から百冊(佐藤優選)33
政治・国家についての知識で、世界の現実を知る
…新左翼両派の文献を徹底的に読み込んだ上で、直接取材を行いまとめた第三者ノンフィクションの傑作。 -
中核派も革マル派も、今でも活動を続けている。両派のHPを見ると、あの懐かしい文体を味わえる。