「般若心経」を読む (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061456068

作品紹介・あらすじ

人は時として人生に空しさを感じ、迷い、心の支えを求める。生きる力を、救いを与えてくれる世界はないものか。「般若心経」は、衆生の苦厄を救うために説かれた。この世に存在するすべてのものは、実体がない。ゆえに、迷いも、苦しみも、老いも死もなく、永遠のやすらぎがえられるという。「ぎゃあてい ぎゃあてい……」の呪文は、さとれる人への、それを目指さんとする人への讃歌である。信ずるとは、さとりとは、真実とは、「空」とは、「色」とは、生きるとは……。人が生きてゆくうえでぶつかる様々な悩みを通して、「般若心経」の真髄に迫る。

空しさの中にゆたかさを見る――たしかにこの世は空しい。人間のすることもあてにはならない。しかし、あてにはならないと思っているからこそ、時として、人間とはなんとすばらしい存在だろうと思えるのではないか。生きていることは確かにあてにならない。人の命はまことにはかないものである。だからこそ、今生きているということが、たとえようもなくすばらしいことだと感じとられるのではないか。そのとき、空しかった空(くう)はもう少しもむなしいものではなく、広大無辺なひろがり、神の胸、仏のふところ、あたたかな永遠の生命の中にぴったりと抱かれていることに気づく。それを「空即是色」というのである。そんなゆたかな、ゆったりとした、途方もない人生が、この世の中にちゃんと実在するのである。それを私たちは、「真実」と呼ぶのである。――本書より

感想・レビュー・書評

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  •  紀野一義先生は、冒頭の「般若心経賛歌ーまえがきにかえて」の中で「この本の第一章に私はかなりのスペースを割いて翻訳者 玄奘(げんじょう/西遊記のモデルである唐の玄奘三蔵/629年にインドに赴き、645年に長安に帰ってきた)の一生について語った」と書いていらっしゃいますが、私は、この本で初めて玄奘の功績というか、過酷な状況を乗り越えて任務を果たした生涯に触れ、紀野先生が、それを知った時に(おそらく)そうだったように、感動するとともに、玄奘という人物に、生き方の指針を発見し、強く尊敬の念を抱きました。

     仏教を学んでいると、やっぱり、ゴータマ・ブッダの教えに行き着いてしまうわけですが、そういう意味でも、ブッダや舎利子に語りかけるような内容になっている般若心経は、しっかり押さえておきたいと思います。

     般若心経を、もう少し多角的に知りたいと思ったので、ひろさちやさんの『般若心経入門』を手に入れました。読み比べてみます。

  • これといった感想は無いのですが……。

    般若心経を解説しているかと思ってましたが、実際はそんなに大した事は書いていなくて、中身が中途半端なように感じます。もっと解説に力を入れてほしいと感じました。
    本書程度なら、ちょっとネットで調べれば出てくるので、じっくり本と格闘する手間は省けます(笑)
    僕の評価はBにします。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00168069

  • [ 内容 ]
    人は時として人生に空しさを感じ、迷い、心の支えを求める。
    生きる力を、救いを与えてくれる世界はないものか。
    「般若心経」は、衆生の苦厄を救うために説かれた。
    この世に存在するすべてのものは、実体がない。
    ゆえに、迷いも、苦しみも、老いも死もなく、永遠のやすらぎがえられるという。
    「ぎゃあてい ぎゃあてい……」の呪文は、さとれる人への、それを目指さんとする人への讃歌である。
    信ずるとは、さとりとは、真実とは、「空」とは、「色」とは、生きるとは……。
    人が生きてゆくうえでぶつかる様々な悩みを通して、「般若心経」の真髄に迫る。

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  • ・9/19 を読み終えた.いまいちよくわからん

  • H19.9月8日購入:
    解説というよりは、著者の方の般若心経に対する思いの丈が綴られていると言った方が正しい。ためにはならないけど、笑える(かもしれない)般若心経論。

  • obtnd

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著者プロフィール

1922年、山口県萩市生まれ。旧制広島高校から東京大学文学部印度哲学科に入学。昭和18年12月、学徒動員にて広島五師団工兵連隊に入隊。将校任官後南方の戦地に向かう。出征中、広島原爆にて家族すべてを喪い、財を失う。昭和21年2月、中国軍の捕虜から解放され帰国。昭和23年、東京大学卒業。宝仙短大学長を経て、正眼短大副学長。仏教文化の啓蒙運動を精力的に行った。

「2020年 『生きるのが下手な人へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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