私の万葉集 1 (講談社現代新書 1170)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061491700

作品紹介・あらすじ

古代日本最初の歌集に収められた四千五百首余りのなかから、現代詩人の心が選りすぐる秀歌の数々。巻一から巻四までの鑑賞と読解。

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  • 万葉集の中に、沙弥満誓(さみまんせい)の歌として、

    世間(よのなか)を何に譬(たと)へむ朝(あさ)開(びら)き
       漕(こ)ぎ去(い)にし舟の跡(あと)なきごとし

    という歌がありますが、その後この歌は第三の勅撰集「拾遺集」に

    世間を何に譬へむ朝ぼらけ
       漕ぎ行く舟の跡の白波

    と載せられています。しかしながら、この歌は後世多大な影響を及ぼし、
    恵心僧都源信、方丈記の鴨長明、そして松尾芭蕉などが引用しています。
    これは、「漕ぎ行く舟の跡の白波」という無常観が下の句にあるためだろと
    大岡信氏は「私の万葉集」の中で述べられいます。

    舟(人)の過ぎ去った跡は他の波によって打ち消され跡形ない。
    鏡のような静かな湖面では暫くは残るでしょうが、
    荒波たつ世間ではたちどころに消えてしまうでしょう
    これが世の中、世間なのでしょうか

    しかしながら、これを書きとめた沙弥満誓という人の
    人物像は詳しくはわからないけど、名前だけは残っています。
    いや、こう申し上げた方がより正かもしれません、
    良い作品はその人の個性を離れて生き続けると。

  • 改元2カ月前に偶然買った万葉集鑑賞本全4巻のうちの第1巻。
    歌と解説・背景説明などが、難し過ぎず易し過ぎず、多過ぎず少な過ぎず、気楽に読了。
    いよいよ次巻には『初春の令月にして、気淑く風和らぐ』が登場。

  • [ 内容 ]
    古代日本最初の歌集に収められた四千五百首余りのなかから、現代詩人の心が選りすぐる秀歌の数々。
    巻一から巻四までの鑑賞と読解。

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著者プロフィール

昭和6年、静岡県三島市生まれ。詩人。東京芸術大学名誉教授。日本芸術院会員。昭和28年、東京大学国文学科卒業。『読売新聞』外報部記者を経て昭和45年、明治大学教授、63年東京芸大教授。平成2年、芸術選奨文部大臣賞受賞。平成7年恩賜賞・日本芸術院賞、8年、1996年度朝日賞受賞。平成 9年文化功労者。平成15年、文化勲章受章。著書に『大岡信詩集』(平16 岩波書店)、『折々のうた』(昭55〜平4 岩波書店)など多数。

「2012年 『久保田淳座談集 空ゆく雲 王朝から中世へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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