死霊からキッチンへ: 日本文学の戦後50年 (講談社現代新書 1270)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492707

作品紹介・あらすじ

戦後50年、日本文学は何を表現してきたか。埴谷雄高、武田泰淳、大岡昇平ら戦後の廃墟に登場した文学者の活躍から、大江健三郎を経て、村上春樹、村上龍、吉本ばななの新世代に至るまで、多彩・多様な表現を生みだした作家と作品の世界を眺望する。

感想・レビュー・書評

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  • 1995年に書かれた本であり、埴谷雄高、武田泰治泰淳、大岡昇平、三島由紀夫らの戦後文学から、村上春樹、村上龍、吉本ばななまでの登場まで、時代時代の代表作を解説している。
    作家の代表作の解説が、質の高い一つの評論となっている。
本書の特色は、今では無名となった女流作家を多く取り上げていることだろう。

    読んでいて、とても面白かった。

  • 20世紀の文学史。主な作家とその主な作品が時系列で紹介されていて、読んでおくべき作家・作品を一通り網羅できる内容。重要作家には大目の頁数が割かれていて、そのあたりも参考になる。中でも、一章が丸ごと大江健三郎に当てられていて別格扱いだけど、ノーベル文学賞受賞がやはり大きいんだろう。あとは本作者の趣味嗜好が大いに反映されての結果か。反面、オススメ作品っていうよりは重要作品が羅列されている感じで、書評としてはいまひとつで、これを読んで"是非読んでみよう”とはあまりならなかった訳だけど。便利な一冊、かな。

  • [ 内容 ]
    戦後50年、日本文学は何を表現してきたか。
    埴谷雄高、武田泰淳、大岡昇平ら戦後の廃墟に登場した文学者の活躍から、大江健三郎を経て、村上春樹、村上龍、吉本ばななの新世代に至るまで、多彩・多様な表現を生みだした作家と作品の世界を眺望する。

    [ 目次 ]
    第1章 全肯定者と全否定者―戦後文学の出発
    第2章 新しい土地と苦しむ女達
    第3章 大江健三郎の世界
    第4章 世界に向かって撃て―安部公房から中上健次まで
    第5章 女流の時代―大庭みな子から松浦理英子まで
    第6章 春樹、龍、ばななから始まる―二十一世紀に向けて

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 再読。昔、中学か高校かの頃、気づいたら棚にあった。大江健三郎の研究をしている人が、実はばななもハルキも戦後文学や大江とつながってるんだよ、と言いたいらしいが、僕みたいなミーハーな文学少年に分かるようには書いてない。ちなみに最初に読んだ頃で記憶に残っているのは「ばななってふざけた名前だな」「『親指Pの修行時代』(朝起きたら親指がペニスになっていたよ、みたいな話)ってこんなアイデア一発みたいな小説でも評価されんだな」「吉行淳之介エロそうだから読んでみよっと(→読んだ。けど楽しいエロじゃなかった)」ぐらい。

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著者プロフィール

1941年大阪市生まれ。文芸評論家。小社編集者として『埴谷雄高作品集』『高橋和巳作品集』を世に出す。著書『わが幻の国』で平林たい子文学賞、『武田泰淳伝』で伊藤整文学賞受賞。他の著書に『謎解き「死霊」論』『文士と姦通』等がある。

「2016年 『大岡昇平 文学の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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