国語のできる子どもを育てる (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494688

作品紹介・あらすじ

本を読まない、作文が書けない子どもたち-その「失語」的情況の中で、読むこと・書くことをどう教えたらいいのか?本当の国語力を引き出す実践的で効果のある方法を説く。

感想・レビュー・書評

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  • 国語はできなかったけど、これからできるようになれないか、読んでみた。
    読解テストは、今読んでも難しすぎて、この問題ができる子どもには到底太刀打ちできないな、と。
    言語化能力、すごい大人になってから大事って知ったけど、
    やっぱできる人は子どもの時から得意なんだろうと思ってしまう。
    書かれている身に付けるべき国語能力みたいなのは、自分にはかなり厳しすぎると感じてしまう。
    それでもやっぱり、国語能力大事。人間社会で共生する手段だからなー。普段何気なく使っている言語、大人になったらテストされることもないし、でも実は理解度合が人によってほんとうに違うんだろうな。面接とかで受かる受からないって、実は国語力なんじゃないかとも思ったり。
    学べるんだからこれからでも学び直そう。

    他者と共有することで現実を作っている、って感じの部分が印象に残った。思っているだけじゃ、あまりにも不確かで、他者に伝わる言語にして始めて、思いや考えや経験が、現実に形を作るんだったら、伝える相手がいることはほんとうに大事で意味があってなくてはならないことだ、と。国語以上能古とを考えさせられる内容が度々あった。

  • よい読解問題は解くことによって、本文の本質を捉え、解き終わった後で、読みを深まっている。

  • 斎藤孝『新聞力』(ちくまプリマー新書)にて紹介。

    「本の中に、読売新聞に連載されている4コマ漫画「コボちゃん」を200字に作文にまとめよう、という課題があります。ーこのように物事を要約して、短い文章にまとめていくと、文章が実用的な日本語になっていきます。これは新聞の書き方にも通じるところがあります。p.75」

  • 背ラベル:375.8-ク

  • 少し古めの本。現代の子供たちは、文章に触れるということから遠くなっていると思う。略しすぎる略語など。

  • コボちゃん作文

  • ?

  • ---書くことに習熟させるには,まず書くことが苦にならないくらいに書き慣れる---
    この本には本当の意味の国語好きになるヒントがいっぱい隠されている。受験国語でも,教科書国語でもない。国語の学び方が書いてある。そのひとつの例はコボちゃん作文だ。コボちゃんという読売新聞の4コマ漫画を利用して,その内容を短作文を書かせる。これが客観描写の訓練になる。なぜ効果的か。内容を理解していないとこれは書けないのだ。絵だけを見ていても,字面を追っているだけでも書けない。これはもう明日の授業に使える。

    ---文章とはまず,最初の他者あるいは読者である自分を納得させるものである---
    自分が納得していないのに,教師や親がその文章を誉めることは思考停止につながったり,大人がのぞむような文章表現技術を身につけるだけに終わる危険性がある。どう援助・助言していくかむずかしいところだ。でも,このことを自覚して,子どもの文章を読めば,きっと接し方も変わってくる。ああ,いい本に出会えた!

  • ちょっと微妙かな

  •  「国語専科教室」主催者である工藤順一氏による子どもの国語力を向上させる理論と方法を論じた新書。書く力を向上させる具体的な手法として「コボちゃん作文」を紹介、また理論として書くことと読むことの関係性、そして学校の国語教育や国語テストの弊害について独自の理論を展開する。

     学校における国語教育に対して、私自身ずっと違和を感じていた。国語授業で教える内容や考査問題が社会生活をより良く送ることにどれだけ寄与できているのか。本書におけるその答えは、「否」である。読書とは面白いから、題材に興味があるから、知りたいからというような「主観的な動機」で読まれるものであり、どこまでいってもそうあるべきもの。だが学校の国語授業における教科書の文章読解は、主観的な動機など一切なく客観的な情報整理・理解・取得に関する小手先だけの手法を扱っている。主観的動機を排して文章と向き合わせる、それが子どもの本嫌いを作る最大の原因なのだ。国語に関してのみ言えば、学校は教育機関ではなく、客観的に計測可能な国語力のみ扱い順序付けし、「国語を勉強した」感を植え付けるためだけの機関となり下がっている。つまり、生きていく上で本当に必要とされる国語力と学校で養っていると信じられている国語力は全くの別物であるのだ。ではどうすれば本当の国語力とは何か。それはシンプルに言えば、「よく読み、よく書く」ことである。ただこれも誤解されており、ただ読ませ、ただ書かせるだけでは読書嫌いの作文嫌いを作るだけだ。よく本を読む子どもを育てるために必要な能力や導き方は何か、よく書く子どもを育てるために必要な学力や意識、導き方は何か、それを本書は著者の経験から理論的に導き出し説明しているのである。
     著者の結論は、幼少期からの主体的読み書き一体化であり、家庭教育の不可欠性である。そしてそれが「国語専科教室」という実践に繋がるのだ。
     本書は理想的な国語テスト問題も掲載している。麻布中学校の入試問題だそうだが、その内容は驚くべき程の完成度である。ここまで現代国語教育の欠点を正確に突いた本を私は知らない。そして本物の国語力を養成するための具体的な指針を示した本としても。著者の本を全て読めば、新しい本当の国語教育のヒントが掴めるのではないか。出口が見えず堂々巡りを繰り返すだけの学校国語科教育の解決の糸口を、工藤順一氏が持っていると私は感じてならない。

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著者プロフィール

国語専科教室代表。1949年、青森県生まれ。日能研等勤務を経て、1997年、国語専門塾の国語専科教室をひらく。「文章の書ける子どもを育てる」をモットーに、一貫してほんとうに本好きな子ども、自分で考える子どもを育てている。

「2018年 『新版 これで書く力がぐんぐんのびる!!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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