DNAに魂はあるか: 驚異の仮説

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061542143

作品紹介・あらすじ

魂は何処にあるのか。今世紀最高の分子生物学者フランシス・クリックに導かれて、脳の秘境に魂の座をさぐる知的興奮の書。人体のなかで最も進化した器官は"目"だという。その目を通して、私たちの心は外界とつながっている。本書は、目が-実は脳が-ものを見るメカニズムを手がかりとして、人間の意識が脳の何処で、どのようにして生まれるのかを大胆に推理する。

感想・レビュー・書評

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  • DNAに魂はあるか Fクリック講談社

    モノ世界にこだわる西洋流の発想かな
    何故彼が魂を否定るることに興味を持ったのかに
    特化する方が面白い研究になるかもしれない

    何かを否定するという事は
    一方で何かを守るという利己心の表れでもあるし
    視野を狭くすることにもつながりやすく
    慎重にならなければならないと改めて思う

    モノ世界を認めるためには
    それに相対する相手を理解する必要がありそうだ
    何しろこの世は相対性時空間という
    有限界を通して無限環境を覗き見る場なのだから
    理解を超えている存在を認めざるをえないと言うことだろう

  • DNAに魂はあるか

    しかしながら、遺伝子は全く出てこない。原題は「驚異の仮説―魂についての科学的探求」である。邦訳の題にDNAがくっついているのは、著者がDNAの二重らせん構造を発見してノーベル賞を貰った著名な科学者だからであろう。意識とは何かという探求である。脳の中に意識の座を科学的に探索するのである。

    クリックさんの驚異の仮説とは

    「あなた―あなたの喜怒哀楽や記憶や希望、自己意識と自由意志など―が無数の神経細胞の集まりと、それに関連する分子の働き以上のなにものでもない。」

    というものである。

    その後に続けてクリックさんは、
    『不思議の国のアリス』なら、「あなたって、ワンパックのニューロンなのよ。」
    と言うだろうとも書かれている。

    いきなり第一章の冒頭にそう書いてある。あとはその仮説を理解するための説明である。1994年の本なので20年ほど昔の科学的知見を使って説明してあるが、恐らく、この仮説にそって、今はもっと研究が進んでいるのだろう。

    わたしは、養老さんの本をけっこう読んでいたからか、クリックさんの仮説はすんなり受け容れられた。今までに脳に関する本も何冊か読んでいたのでクリックさんの説明も適当に詳しくてわかりやすかったような気がした。特にニューラル・ネットワークの具体的なイメージが描けたような気がしたのはよかった。

    それと、人類がどうしてこうも愚かにも簡単な説明に飛びついて、凄惨な争いを繰り返すのかという答えとして、

    「人間の脳が発達したのは、人類が狩猟採集民だった頃であることを忘れてはならない。小さなグループのなかで協力し合い、近くにいる他のグループとは敵対しながら生きていた人々には、強い淘汰圧が加わった。―中略―こういう状況では、部族のなかで同じ全体的信仰(わたしが「簡単な説明」と呼ぶものと同じもの。)を分かち合うことが、仲間の絆を強化する。人間の脳には、進化のプロセスでそういう必要性が組み込まれてきたに違いない。―中略―高度に発達した人間の脳は、・・・生き延びて、子孫を残せるだけの知恵を備えるようにな進化してきた。」

    という説明をされていたのが印象的で、なるほど、そんな風にも考えられると深く納得した。昨今の世界的なファシズム隆盛の説明にもなっている。わたしも含めた人類の持つこの邪悪さは、おそらく遺伝子レベルに刻印された人類に普遍的な人間性なのであろう。そう考えて事態に対処しなければイカンなぁ~としみじみ考えた次第である。

    それに、ノーベル賞受賞者の脳が...こう語るのは、やはり、人類の希望であると思う。

    Mahalo

  • 遺伝に関する内容というよりは、脳科学および意識に関する内容。人生の科学 からのリファレンス。

    我々が持つ意識のメカニズムについて、ニューロンがする物質の交換のみで説明ができるとする仮説を検討する。検討にあたっては最も単純化が妥当性をもつであろう視覚野のプロセスを主なモデルとしている。

    脳は、視神経を通じて得た情報をその中心である視床で処理するわけだが、その処理については随分加工というか補足が加えられていることが多くの実験からわかってきている。

    視覚野とは別のところでも、例えば我々はあったことのない電話先のルックスを勝手にイメージして、それが後日まとはずれなものであった事に驚かされることは良くある。というのはノーベル賞を受賞した著者自身があげる卑近な例だ。

    そういう時、驚くと同時にどこか嬉しかったりするのは、データベースが充実したことに対する喜びなのではないかと感じさせられた。

  • う~んなんというか筆者の思い込み的な世界観しか感じられなかった。ワタシタチは何ものなのか的な論理的思考が欲しかった。

  • DNAの二重螺旋構造を発見したノーベル賞受賞者のクリックの脳科学の著作。邦題はまったくの誤解を生む。当時の「驚異の仮説」は今では通説となっているのではないか。ニューロンのシナプス結合の回路に意識が存在するのだろう。視覚システムを取り上げて当時の最新知見を述べている。

  • このレベルではすぐに時代遅れ、本当に天才か?

  • 東大教授おすすめ

  • このタイトルはあり得ない(サブタイトルが原書のタイトル)。
    それはそれとして、神経生理学の仕事やニューラルネットワーク研究の成果をまとめた大作。ただし一般向けではないと思う。

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