- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061582071
作品紹介・あらすじ
大和朝廷が史書として編纂したわが国最古の古典。上巻にはイザナキ・イザナミ二神の国生み、天照大神・スサノオノミコトの葛藤、天の岩屋戸、ヤマタノオロチ退治などのなじみ深い物語が多い。古代国家の統一と成立のかげで、素朴で明るい古代人の人間像が、おおらかに記述されている。神話・伝説であり、文学であり、歴史である古事記には、われわれ祖先のエネルギーが満ちあふれている。〈全三巻〉
感想・レビュー・書評
-
もともと三分冊となっていたことを初めて知る。しかして、序なんぞがついていることもである。
昔は、おとぎ話の形で楽しんで読んだと記憶しているが、どうも、時代を下るにつれて、窮屈となるのがちょっと悲しい。
天武天皇が稗田阿礼に読み取らせた物語を、太安万侶が古事記というテキストにおとして元明天皇に報じたものと、序にはあった。
全体は、四六駢儷体という漢文で書かれているにもかかわらず、太安万侶は、ことばもその内容も、もともと素朴で文章に書き表そうとすると漢字の用い方の困難があった。がために、音訓混在に、あるいは訓のみで記載したところがあったとある。これが古事記をもって最古の国書として本居宣長に言わせたものであろうか。
上巻 神話の世界
中巻 神話と歴史をつなぐ橋
下巻 人の世、大和朝廷を舞台とする人間模様
各段の構成は、
原文書き下し文
現代語訳
注
解説
からなっています。
物語だけを読みたい方は口語訳をお求めになられるのがよいとおもいます。
上巻は、神話の宝庫で、神の名前がやたら出てくること以外は楽しいかと思います。
上巻の目次は次のとおりです。
はしがき
古事記序
1 古伝承とその意義
2 天武天皇と古事記の企画
3 太安万侶の古事記撰録
古事記上巻
天地の初め
伊邪那岐命と伊邪那美命
1 淤能碁呂島
2 二神の国生み
3 二神の神生み
4 火神迦具土神
5 黄泉国
6 禊祓と三皇子
天照大御神と須佐之男命
1 須佐之男命の神やらひ
2 二神の誓約生み
3 天の岩屋戸
4 大気都比売神
5 八俣の大蛇
6 須佐之男命の神裔
大国主神
1 因幡の白兎
2 八十神の迫害
3 根の国訪問
4 八千矛神の妻問い物語
5 大国主神の神裔
6 少名毘古那神と御諸山の神
7 大年神の神裔
葦原中国平定
1 天菩比神と天若日子
2 阿遅志貴高日子根神
3 建御雷神と事代主神
4 建御名方神
5 大国主神の国譲り
邇邇芸命
1 邇邇芸命の生誕
2 猿田毘古神
3 天孫の降誕
4 猿田毘古神と天宇受売命
5 木花之佐久夜毘売
火遠理命
1 海幸彦と山幸彦
2 海神宮訪問
3 火照命の服従
4 鵜葺草葺不合命の生誕詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全訳注
-
原文の書き下し文と現代語訳と解説が一章ごとになっている為なんとか読み進めることができた。
ただ、神名や人名が旧字体で書かれている為、古文の授業で習った事がうろ覚えの為ちゃんと読めているかは疑問だ。 -
古い事を記した本。
何故そうなる!?という展開が多いが、
次田先生の解説で納得出来る。
上巻は史書としての性格が薄い神話だが、
伝承の元となる出来事があったのだろうし、
そういうことを想像しながら読むと楽しい。
そして、太古の時代から日本人は判官びいきで、
あいまいで、なあなあだったのだなあと実感。
それが神道や皇室が廃れない理由なのかも知れない。 -
解説が詳しくよみやすかった。
-
上巻・中巻・下巻の三冊から成る。現代語訳や語釈などもついているので、原文の書き下しを読みながら意味を調べることができる。そのため、読みやすく、解りやすい。
-
神話の世界っておもしろいね。
-
上中下と三巻構成。
読み進むうちに慣れてくるが、人代編の人名が羅列した部分は読み飛ばしたくなった。
アマテラスやスサノオ、ヤマトタケルなど有名人が多数出演。 -
日本現存最古の歴史書である『古事記』の本文付き訳注本。本文の書き下し文と現代語訳を載せているほか、注釈と各章段ごとの解説を付けている。全三巻本であり、第一巻に当たる上巻では『古事記』の上巻、即ち序文と天地開闢~ウガヤフキアエズノミコトまでの神代を収録する。
言わずと知れた日本神話(記紀神話)の原典であり、改めて読んでみて学ばされたことは多かった。記紀神話が(本来繋がりのない)各地の地方神話をパッチワーク的に融合・再構成したものであるという事実は驚きであり、また意外に『古事記』の記述はシンプルなものであったこと(=自分の頭の中にあった日本神話はかなり脳内補完されたものであったこと)も知ることが出来た。
書き下し文と現代語訳を同時に見る事が出来、なおかつ詳細な注釈や解説の載っている本書は初めての人間にもかなりおススメできる一冊となっている。欲を言えば、語句の総索引が欲しかったか。また原文の底本が何であったかが書いてない点が残念だった。