人生をいかに生きるか 下 (講談社学術文庫 447)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061584471

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  • 林語堂『人生をいかに生きるか(下)』

    閑暇の享楽が罪悪であるはずがない。それどころか、文化自体の進歩が、閑暇の聡明な利用にかかっているのである。 81

    学問の探求は誰の仕事であってもならない、ただ自分自身の仕事であるべきである。そうあってこそ、はじめて教育は楽しみとなり、積極的となる。 207

    ところがひとたび書物を手にすると、人はただちに別世界に出入りする。もしそれが良書なら、読者はたちまちにして世界第一流の話し手の一人に見参することになる。彼は読者を誘って、遠い別世界、はるか昔に連れて行き、心中の悩みを軽くし、読者がかつて知らなかった人生の諸相を語ってくれる。古書は幽冥界と読者を交感せしめ、だんだん読んでゆくうちに、著者はどんな顔の人であったか、どういう型の人物であったかなどと想像しはじめる。
    一日の二時間だけでも別世界に住み。その日の煩悩を絶つことができれば、いうまでもなく、肉体的牢獄に閉じ込められている人たちから羨望される特権を得たことになる。
    書を愛すればつねに思索と反省の世界へ出入りすることができるのである。 221

    好きな作家の発見は、自分の知的発展途上のもっとも深刻な出来事だと私は思う。こういう際には魂の親和というようなものが現れる。だから古今の作家のうちで、その魂が自分の魂と近い人をわれわれは発見しなければならない。かくしてこそ真に善いものが得られるのである。
    私淑すべき師をさがすのには、人にたよらず、自己の力にたよらなければならない。誰に傾倒できるかは、他人の知るところではない。 226

    しかし、その後の思想史を通じて、ゲーテや、サミュエル・ジョンソンや、エマーソンや、ウィリアム・ジェームズなどという、人生そのものを直接に体験した少数の独立思想家は、かの談論者ふうのたわごとを排し、頑強に分類的精神に反対しつづけた。けだし彼らこそ、人生の知識たる哲学の真の意義を維持してくれた賢哲であった。 283

  • 中々面白い。

  • 友人が一押ししていたので、借りて読んだ。なんだか仙人みたい、という印象。同意できる部分あれば、そういうものなのかなーというところもある。

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