知的人間関係 (講談社学術文庫 1069)

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  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061590694

作品紹介・あらすじ

仕事や結婚のため疎遠になりがちな友人関係を永く保つためにはどうすべきか。兄弟姉妹の間の嫉妬心による対立から「家族の絆」を守る方策は。また干渉を嫌い心を閉ざす子供に人生の真実を伝えるにはどうしたらいいか。正義と闘争が退潮した歴史の終わりを生きる人々に、知的向上とよき人間関係を重んずる平静な生き方を伝授する。穏健な判断と透徹した叡知を流麗な文体にのせてつづる成熟の人生論。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀イギリス人芸術家のP.G.ハマトンがエッセイストとして書いた随筆集。
    日々の人間関係やマナーなど多岐に渡るアレコレについて個人的な意見を披露している。
    文章がびっしり書かれた文体で480ページ程度あるため、読むのにかなり骨は折れるが、思わずそうそう!と言いたくなることや、ハッと気づかされることがあるなど100年以上前に書かれた本とは思えない。

    ちょっと、階級や貧富の項は時代もあってか賛同しかねるところはあるが、概ね私は共感できるところが多く、友人を見つけたような気持ちがした。

    その名文ぶりは当時から注目されていたようで、日本の戦前の英語の教科書ではハマトンの分が引用されていたそうだ。

    目次は以下。
    1. 人間関係に固定した法則を発見する事の難しさについて
    2.独立独歩
    3.恋愛について
    4.夫婦の中
    5.家族の絆
    6.父と息子
    7.客の権利
    8.友情の死
    9.財産の不安定さについて
    10.身分の違いと財産の違いについて
    11.言語という障碍
    12.宗教という障碍
    13.聖職者と女性
    14.どうして我々は信仰心が薄くなったように見えるのか
    15.我々の信仰心は事実いかに薄くなりつつあるか
    16.それと気づかぬ虚偽について
    17.英国人の際立った特異性
    18.お上品ぶる上流階級の人間の無知
    19.愛国者に特有な無知
    20.混同
    21.高尚なボヘミアニズム
    22.書簡作法について
    23.友情の手紙
    24.仕事上の手紙
    25.匿名の手紙
    26.娯楽


    1.~9. 21. は日常的な日々の生活や悩みに直結して役立つと思う。

    ディスり方が高尚で、読んでいて面白いのは17.~19.
    全部を通読すると大変だから、気になったところをパラ読みするのも良いかもしれない。

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