- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061594456
作品紹介・あらすじ
鎌倉時代、広い知識と行動力で、先進的知識人として活躍した栄西は、二度にわたり宋に入り、中国文化の摂取につとめた。そして、中国の禅院で行われていた飲茶の習慣を日本でも行うべく、当地で得た茶の実を建仁寺境内に植栽し、日本の茶の始祖になる。本書は、「養生の法」として喫茶を説いた茶書の古典。
感想・レビュー・書評
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お茶は薬である。という教えと
時代をどのように作り広めていったかという話が
一冊でまとめられており非常に勉強になる書籍です。
少し先に生まれ宇宙と向き合った鴨長明と
お茶を薬とし日本の宗教改革の先陣を切った栄西禅師の後
という文脈で
平安>鎌倉>室町>戦国と捉えると
日本が急速に大乗仏教化していく様も理解できるかな。
方丈記に続く、僕の座右の名著 -
当店の焙じ茶が桑なのは、こちらの本に敬意を表して。
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日本の喫茶店の文化は何処から来たのかと、探してみたところ、本書に行き着いた。
栄西は平安時代から鎌倉時代にかけて生きた人であり、当時廃れていた喫茶を再興させた。
著者の栄西は、禅僧である。
禅僧は、坐禅をする禅宗の僧である。
禅宗と茶が、どうむすびついたのかというと、以下の記述がある。
「禅と飲茶との結びつきは、坐禅を続けるに時として睡魔に見舞われがちであることから、これを防ぐために茶に含まれるカフェインの効用をひそかに考えて、これを飲むことを誰とはなしに始めたことかと思われるが、規矩の厳しい禅院ではこの効用を踏まえて、儀礼として飲茶の風を厳しく行うことになったものと思われる。」(p.102)
眠気覚ましの為に栄西は喫茶を広めたのか。
禅の修行中に眠くなってしまう禅僧を想像すると、かわいらしいが、それでいいのか禅僧?
また面白いことを知ることが出来ました。 -
分かりやすい現代語訳、注釈で良かった。
二部からなっており、第一部門は五臓と味覚等の繋がり、どの病にはどうすべきかが書かれ、茶の効用が説かれており、第二部門では桑の効能が説かれていた。
本書前半は『喫茶養生記』の現代語訳、原文等で後半は著者の栄西観、解説等で内容の詰まった本だった。