日本の中の朝鮮文化: 相模・武蔵・上野・房総ほか (講談社学術文庫 1501)
- 講談社 (2001年6月1日発売)
本棚登録 : 9人
感想 : 1件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061595019
作品紹介・あらすじ
朝鮮半島からの渡来人を抜きに日本の古代は語れない。全国に分布する彼らの高い文化水準を伝える遺跡に注目した著者は、二十年余にわたる踏査の旅へ出発した。次々と掘り起こされる、忘れられあるいは隠された真実。そこから考察された両国・両民族の歴史的関係は我々を呪縛する"帰化人"史観の訂正を迫る。壮大な紀行の第一歩となった本巻は、関東編を収録する。
感想・レビュー・書評
-
在日朝鮮人である著者が、朝鮮由来の地名と思われる土地を探訪して郷愁に浸る・・・といった趣の紀行文である。単行本の発行は昭和45年であるからトンデモ本と言うには多少酷かもしれないが、著者に都合のよい伝承や俗説のみを取り上げて朝鮮由来の地名と決め付けていく姿勢は牽強付会のそしりをまぬがれまい。たとえば、飯能はハンナラ(ハン=韓、ナラ=国)が由来と決め付けているが、ハンナラは現代韓国語であろう。また、中島利一郎の説を取り上げて大宮はクナラ・クンナラ(大国の意)が由来の地名としているが、大宮は氷川神社由来の地名である。駒岳は高麗由来の山名ではなく、雪形が馬の形をしているからである。一事が万事この調子なので、地名の由来譚に関してはすべて眉に唾をつけ、古き昭和を懐かしむ紀行文としてのみ読むのがいいだろう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示