- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061597631
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパとは何か。その成立にキリスト教が果たした役割とは-。ケルト的なるもの、ローマ的なるものに加えゲルマン的、東方的、ノルマン的、イスラム的等々、多様な要素を混和してヨーロッパは形成された。地中海古代世界を脱けだし、森林と原野の内陸部に繰り広げられたヨーロッパ世界創造のドラマを「中世人」の視点で鮮やかに描く中世通史。
感想・レビュー・書評
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入門に読もうと思ったらそういう本ではなかった。たぶんある程度知識があることが前提になっていて、専門用語が多いのと、地名や人物の羅列がだーっと続いたと思うと一人の人物の逸話や性格にフォーカスしたり、話の中で時代や地域が目まぐるしく変わり前後するので初心者はとてもじゃないがついていけない。
アリエノールの話など細かく語るところでは独特の語り口で臨場感があり面白くはあるのだけど、大筋をつかめないまま読むのでよくわからないまま宙に浮いてしまう。もっと後で読むべきだった。これの前に読んだ本も自分には難しい部分があってうまく呑み込めなかったので不安になってきた…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
詳しくて良かった。西ローマ帝国崩壊直前から、百年戦争終結までの、長い期間を扱っており、最初と最後では社会が全く変わっていることに驚いてしまいます。
事件や人物そのものより、「何故それが起こったか」という社会の底流を描くことに力点を置いている感じ。そのため、「そう! それが知りたかったの!」という部分が多い半面、勉強不足の時代については「アレ、待ってそれ誰」みたいなことになることも……。
事件・人物に力点を置いた本を先に読み、「2冊目の概説書」として読むのが良いと思います。 -
ヨーロッパ史で有名な学者による通史。専門?のブルゴーニュ公家のくだりは思ったより少なく、かわりにすごく気になる12-13世紀の記事が多いのがよかった。ただし通史とはいえ、観点が多岐にわたるため、記述が前後しているのが難点。仕方ないところではあるけど。ある程度の予備知識があったほうが読みやすいと思う。
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ローマから見た辺境地、ガリア戦記の時代から百年戦争を経るまでのヨーロッパの歴史。まさに、ここからヨーロッパは始まる、といった感。
中世が暗黒時代ではなく、次の近代を予感させるべく動き出していたことを思う。 -
上級者向けの内容
題名通り「ヨーロッパ」というよりフランスを中心とする西ヨーロッパの歴史で
「中世」の範囲は西ローマから百年戦争の封建制終了くらいまで
ざっと通して世界史の
「中世ヨーロッパ封建制のしくみ」
「ケルトとノルマンによる古代地中海世界からの脱却」
「宗教改革前のローマ教会趨勢」を知っているくらいでは
まるで追っていけない話題の連続で
私の現在の知識ではさらに三冊分くらいの解説書が必要
充分この題材らについての知識をもっているひとにとっては
面白い歴史論述書なのかもしれないが判断つかない -
新書文庫
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学術的です。読みこなすの大変です。
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とにかく文章が上手い! 上手すぎて歴史の概説書としてはイマイチ信用できない…、ってのは偏見ですが、やっぱり文章に酔ってしまう本。