太閤の手紙 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
3.63
  • (2)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 30
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061597754

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • <閲覧スタッフより>
    太閤秀吉の木下時代から晩年までの手紙を紹介。喜怒哀楽あふれる手紙からは人間味のある秀吉の姿が浮かび上がってくる。
    -------------------------------------
    所在記号:文庫||289.1||トヨ
    資料番号:10176428
    -------------------------------------

  • 足軽時代から、逝去前までの書状を解説している。
    読み下し文が掲載されているが、現代訳はない。
    なので少し難解。
    秀吉が天下人になってから、親しい人宛には「てんか」と署名しているのが面白い。
    秀頼には「おひろいさま」と呼びかけ、淀君あてには「おちゃゝ」と書いていた。
    秀吉→北の政所にあてた書状で何度か
    「若ぎみ、金吾、お姫、生御魂給はり候(いきみたまわりそうろう)」と、身内について触れていた。
    金吾は、こんなふうに家族として扱われていたのに…よくも裏切れたものだ!と、改めて驚き。

    前書きが秀逸。
    作者の、秀吉への愛を感じる。
    「太閤秀吉は、われわれ日本人にとって、まず、最も身近な人間であったといってよい。
    彼は、乱世に処して、しかも道義を好み、不義を憎んだ。
    敵を愛することをも知っていた。
    親孝行で、子煩悩であった。
    女ずきで、恐妻家でもある。
    実直な、努力家ではあるが、嬉しい時には有頂天になり、悲しい時には手放しで哭ける男だった。日本人にありがちな、気ばなな短所も、人情深い長所も、十分に持ち合わせ、感情の赴くままにこれを発露し、決して出し惜しみなどしていない。
    計画したことを、遠慮なく、どしどしと実行に移し、精根つきて、出し殻のように痩せ衰えて死んでいった。平凡にして、しかも偉大な人間だった、とはいえないだろうか」

    確かにあの死にざまは、出し殻のよう。
    死にざま、辞世の句と併せて考えて、やっぱり秀吉は好きな武将だ。
    (文禄・慶長の役には全く賛成できないが)
    昭和34年に書かれた本だが、全く古さを感じない。
    ちなみに、石田三成については数回名前が出てくるのみだった。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1902年、東京都出身、1987年没。國學院大學国文科卒。東京帝国大学史料編纂所を経て、國學院大學文学部教授、同名誉教授。文学博士。戦国史・茶道史研究家。『日本茶道史』(角川書店)、『古田織部』(徳間書店)、『千利休』(宮帯出版社)、『本朝茶人伝』(中央公論新社)など著書多数。

「2018年 『ビジュアル版戦国武将茶人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桑田忠親の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×