- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061813458
作品紹介・あらすじ
惨劇に彩られた「十角館」と同様、奇矯な建築家・中村青司の手になる「水車館」。古城を彷彿させる館の主は、過去の無惨な事故ゆえ常に仮面をつけた藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。1年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。舞台は整った。1年後のいま、戦慄の大トリックが待ちうける!
感想・レビュー・書評
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本格度という点では前作以上ではないでしょうか?懐かしのミステリのガジェットも揃っているし、作品世界に没頭するのが楽しかったです。作品が持つ雰囲気も結構好きだし、過去と現在を行き来するという構成も良かったと思います。ただ、さすがに犯人はすぐに分かってしまいましたが(笑)だけど、そんなことで作品の魅力が損なわれるということもなかったと思います(自分にとってはですが)
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10数年ぶりの再読。読み進むにつれてトリックを思い出してしまった。ということでもう一度読み返すということはないだろうな、という作品。ただ過去と現在の物語を交互に進める構成はとても読みやすくて◎。トリックも王道ど真ん中なので、ミステリ初心者にお薦め。
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館シリーズ2作目☆
幻想画家藤沼一成の絵が集められた水車館。
今回カラクリはオマケ程度なんだね(´¬`)
これは映像で見てみたい気がする。
『幻影群像』見たい。
紀一の心情が切ないなぁ。
ストーリーは割と地味かな? -
惨劇に彩られた「十角館」と同様、奇矯な建築家・中村青司の手になる「水車館」。古城を彷彿させる館の主は、過去の無残な事故ゆえ常に仮面をつけた藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。一年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。…舞台は整った。一年後のいま、戦慄の大トリックが待ちうける!
(裏表紙紹介文より)
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最初は過去と現在それぞれで起きたことがごっちゃになってしまいわかりづらかったですが、事件が起きた辺りからはぐんぐん入り込んでいけました。
途中で、ある人物が犯人とわかる要素の一つに気づいたものの、残念ながら犯人特定には到らず。
絵の謎もちょっと微妙でした。
隠す理由としてはとても納得だったんですが、いきなりそんなんでちゃうの!?と思ってしまいました…。
全体的に、前作「十角館」と比べると納得できないところが多かったように感じてしまいました。
しかし、綾辻さんの描くインテリは、微妙な…ちょっと残念な立ち位置を与えられる運命なのでしょうか…。(まだ2作目なんですが、なんとなくそんな気がしてなりません…。) -
館シリーズの中では一番地味かもしれないこの一作。最初に読んだときの衝撃度、インパクトは(他の作品と比べると)そんなに強くなく、「印象が薄い」という声も。たしかに私はこれを読んだとき、ちょこっとだけ真相分かりましたね。全部は無理だったけど。唯一綾辻さんに「完敗」ではなかった作品です(……自慢にならん)。
それに、館自体もわりと普通。魅力的ではあるのだけれど、そんなに特異だとは思わないなあ。岡山の山奥探してみれば、本当にあるかもしれない……と思うのは私だけですか?
が、当然ながら素晴らしい作品。そうでないわけがない! あやしげな館、あやしげな住人、忌まわしい過去の事件、仮面を被った館の主人、幽閉された美少女、といったミステリ好きにはたまらない、幻想的な要素が目白押し。視覚的なイメージもかなり強くて、この雰囲気だけでも読む価値あり。読めば読むほど味の出る、まるでスルメのような一作(笑)。
そして、この作品のテーマは「呪縛」だと思うのですが、読めばこの作品の「呪縛」に囚われることは間違いありません……。 -
ミステリーとしては、ごくごく普通に評価できる作品だと思います。ただどうしても前作『十角館〜』と比べてしまい、なんとなく物足りない気分になりました。いきなり衝撃的な死体発見のシーンから始まる冒頭や、怖さの余韻が残るラストなど、作品全体のぞくぞくする雰囲気は好きです。綾辻さんの作品はまるで映画を観ているかのように、そのシーンの映像が頭に浮かぶので、読んでる間中なんだか怖かったです…。ただ、やっぱりトリックが簡単すぎるのでは…と感じてしまいます。私にしては珍しくわかってしまったので。ここからは少しネタバレっぽい感想になりますが、「仮面をかぶった館の主」「顔の判別のつかない焼死体」おまけに「現在編と過去編での人称の差異」とくれば、ほとんどの人がほぼ真相に辿り着いちゃうのではないでしょうか…?まさか違うよね…?と思って読み進めたら、思ってた通りの展開だったので拍子抜けしちゃいました。ただ、あとがきによると、筆者はどうやら『十角館〜』が「論理的に犯人を限定する手掛かりに欠けている」ということを踏まえて、今作では「犯人限定の論理」をかなり重視したそうです。まあ、そういうことなら、私は犯人がわかったことを残念に思うのではなく、素直に喜ぶべきなんでしょうか…(*^_^*)次の巻にも期待大です♪
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初読:2007年8月27日
館シリーズ第二弾。水車のあるからくり屋敷に人から逃れるようひっそり住む主と幼な妻、一年に一度の来客、繰り返される悪夢。今回もぐいぐい引き込まれて、そしてラストではやっぱり驚かされた。