- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061821286
感想・レビュー・書評
-
本当にもう...最初の一文が「子供は、親の食べ物じゃないよッ」だもんな。
おそらく初めて本格的にカニバリズムが登場する浦賀作品だろう。このシリーズはどれもどこかしら壊れているのだが、これはもう完全に狂気。でもその狂気にすぐに引き込まれて一気に読み切ってしまった。
ミステリとして見ると連続猟奇殺人の真相は少しインパクトに欠けるところはあるが、逆さVの意味には驚かされた。
そして、本作は『時の鳥籠』にちらっと出てくる事件を描いており、『頭蓋骨の中の楽園』での小林の自殺の真相や、シリーズの主人公安藤直樹の名前の由来も明かされる。シリーズものとは本来こうあるべきなのかもしれないと思わされる。シリーズ全体として評価すると、なかなかこれに敵うものはないだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「分かっているでしょう?暴力のない所に、本当の言論なんて存在しないことを。テロルが頻繁に発生する国には本当の言論と文学というものがあるのよ。作家は命を懸けて小説を書いているんだから。言論の自由という言葉は、そういう国でこそ初めて光り輝くのよ。でもこの国はそうじゃない。自由で、平和で、弛緩して、言論の自由と無責任を取り違えて、言いたいことは言うけどそれには責任持ちませんという態度を貫いている。本来、言論は暴力であり凶器であるということを皆忘れてしまっている。そんな国では本当の言論も、成熟した文化も成立しない。何の危機感も、緊張感もないもの。」5作目も面白かった。ミステリというかバトロワだったけど。
-
個人的に、小説は媒体が文字だけだから割と記憶としては残りにくいんだけど、この本はちがった。
時が経っても、血や嘔吐や海辺での出来事などの情景が鮮やかに思い出された。
あまりにも鮮明すぎて、この記憶を漫画だと勘違いしたくらい。
名作っていうのは、たとえ内容がどうであれ、記憶に残るものだ。
私の脳に、間違いなくこの小説は下品に傷をつけている。 -
シリーズ5作目。
やられました。ノックアウト、完敗です。
作者の頭の中は一体どうなっているの。
喰われました。 -
いい子観ちゃダメだよ!
-
安藤直樹シリーズ5冊目。
シリーズ番外編の印象。
とにかくカニバリズム。
村木先生のカニバリズム論は読み流し。
「子どもは、親の食べ物じゃないよッ」 -
安藤シリーズ。
合宿で訪れた島で起こる惨劇。
なんとも人を喰ったような話。 -
「みんな死んだら海に還るんだな」
「遅かれ早かれ火葬にするんだろう。火で燃やして、煙になって、空に上って雲になって、最後には雨になって海に還ってくる。」 -
シリーズもの。
ミステリ色は他作品より強いものの、内容が内容なので人にお薦めはできないかも。カニバリズムです。 -
安藤シリーズ再読中。のつもりがこれは未読だった。というよりカニバリズムだと気付いて断念した系か。