スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
4.16
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本棚登録 : 1882
感想 : 348
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825123

感想・レビュー・書評

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  • あんまりドキドキ感無く読む進めていたが、下巻からのいろいろ判明してラストまで走り抜ける。感動。

  • 面白かった!!!

    情報を出す順序が時系列順ではなく、ネタばらしが少しずつされていくのが新鮮な感覚だった。伏線散りばめるフェーズと回収フェーズにはっきり分けるわけではなく、細切れにしているみたいな。
    5・6人の視点が行ったりきたりして、しっかり読まないと今誰だっけとなることはあったけど、それが↑の伏線回収に繋がっている。

    明らかな伏線は都度直後で解決したように見せかけて、回収されない違和感だけがあとに残る。環の過去の奇跡。小さな図書館に突如として大量に入ったチヨダの本。駅の待合室についたテレビ。チヨダは環と初対面のとき、「お久しぶりです」と言った。緊張で人違いをしたかのようだったけれど、その後、チヨダは昔会った人との会話まで細かく覚えていると言われていることが明かされる。

    それら小さな違和感に納得感を与える怒涛のラストに痺れた。期待を裏切らない辻村作品のすっきりした読後感。コウちゃんの行動は現実だったら非難されそうなものだけど、それでも感情移入できるのはそこまでに彼の人格の解像度が上がっているから。

    上巻より下巻の方が平均評価が高いのになるほどという感じ。途中で断念した人がいたらもったいない。

    個人的に一番気になる登場人物はりりあちゃん。結局最後まで本心を明かさなかった彼女は何を見て何を考えて生きてきたのか。環と出会ったことでどう変化していくのか。

  • 下巻では、一気に物語が展開。
    それぞれの人物像がはっきりと浮かび上がり、さらに惹き付けられた。
    最終章では、コーキの想いに感情移入し過ぎて、一緒にドキドキしたり喜んだり…と忙しかった。
    辻村深月さんの多くの作品と同様、物を創り出す人へのリスペクトが随所に感じられたところも良かったなぁ。

  • 上下3.7

  • ケーキの時、渡したのはお父さん?と思ったら、コウちゃんで、久しぶりって挨拶した意味がわかって、その辺りがおもしろかったけど、もう少し2人の余韻を味わいたかったな。その辺は想像にって感じで最後サラッと過ぎて物足りなかった。

  • 下巻読了
    隠されていた事実を含め、上巻で散りばめられた様々な謎が怒涛のように解き明かされていく後半は読み応えあり。最終章の着地の仕方は見事であり、後味の良い読後感だ。
    一方で、謎の一部はホワイダニットの観点で腑に落ちない所もあり、全ての伏線がスッキリと回収されたとは言い難い。“現実には到底ありえなそうな、夢のような話”と言われればそれまでだが。
    「凍りのくじら」のとある登場人物が、ちょい役で出てくるのは、辻村ファンには微笑ましいサービス。「凍りのくじら」を読んだ後に本書を読むのがオススメ。個性的なキャラクターが数多く出てくる青春物語なので、映画化かドラマ化されると面白そう。

  • よかった
    環がずっと苦手なタイプだと思ってたけど
    ラストに向かっていくにつれて
    彼女の魅力がわかっていったし
    彼女はそうするしかなかったんだなと
    最後のコーキのエピソードで理解できた
    愛に溢れた環もコーキも人間性が素敵

  • 伏線が怒涛に回収されて、一気に面白くなった。

  • やはり辻村深月という作家は凄い
    夢を持つ若者が同巣立つのだろうか、ワクワクしながら読み進めた
    このような落とし所になるのかと、少し感動
    新人の頃の作品だが、最近の作品と遜色無いと私は感じた

  • 全員の関係性や裏の顔がわかるにつれて鳥肌が立った。
    ここに出てくる登場人物で一番は決められない。それぐらい全員が魅力的だ。全員が溢れんばかりの才能を持っていて主役級。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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