天帝の愛でたまう孤島 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825543

感想・レビュー・書評

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  • まほたんたちが孤島に持ち込んだミステリのタイトルで、どんでん返しを察するべきだった!(嬉)

  • 嵐の中の絶海の孤島。連続殺人劇。

  • 単体で読むよりシリーズの一環として読むのがベストかと思います。
    現状普通の書店で手に入らないのでこれから入る人はほとんど居ないと思いますがもし読むなら『果実』『御矢』を先に読みましょう。

    (以下ネタバレを大いに含みます)

    青春小説のノスタルジーのあった『果実』。
    寝台特急のゴージャスさのあった『御矢』。
    そして今回もはやミステリの伝統芸能と言っても良い『孤島』ものと言えば、いやが上にも期待度はうなぎのぼりな訳です。
    しかしなんだか上滑り感!
    まるでアニメに挿入される水着回かのようなお色気シーンに余りに御膳立ての整い過ぎた島の設定に突如として繰り広げられる探偵論にところどころ何を言っていて何が起きているのか良く分からない文体に妙にペラく感じる連続殺人シーン!アカマントアオマントクチサケニンゲンシニガミカメンて!
    ダメだ!きっとまほろがダメな人っていうのはこういうのがダメなんだ!そういうことか!
    と納得しかけ、これはダメかもわからん…と思って読んでいたのですが

    それらが伏線だったとは…。

    しかしこういった孤島ものの陥る必然性として、どんどん死んでったら生き残りの中に犯人がいるのが道理→しかし今回全員が部屋の外から凶行を目撃している→外部犯の可能性はメタ的に却下→だったら今までの…となるわけで、
    薄ぼんやりと推理をすることで誰が犯人になってもやった俺犯人分かったぜ的な読者の自分は、まあそうなるよな…と。
    密室トリックについては分からなかったものの、これを読んでいる途中に「そういえばこうこうこういうトリックのミステリは今まで読んだことないなあ。書いたら面白いかもなあ」とベッドの中で空想していたトリックがなんとドンピシャ。何かが共鳴したのか。(いや、俺の頭の中の消しゴムが消去してるだけの可能性大だなこりゃ)
    前述の通り理詰めで読む人間じゃないので、繰り広げられる推理にはなるほどなあと思いつつ、今回は今までの推理合戦が無くて残念だなあ。あれ?これで終わり?と思ったらまたなんかちょっとページ数が残っててこれは…また話が斜め上に行くんだな!と思っていたらもっととんでもない方向から思い切り顔を殴られた。
    ありかよそれ!うわあ!うええ!
    シリーズものは孤島ものを書くのに向かないなあ…とか思っていたら!

    仮にこれを自分がリアルタイムで、裏表紙の言葉の通り「三部作完結編」として読んでいたら相当に後味の悪い読書になったことでしょう。
    しかし幸か不幸か今の自分はこのシリーズの続刊が出て、彼らの物語がまだ続くことを知っている訳です。
    しかしこれ、次からどうするつもりだよ。
    『鳳翔』に飛びつきたいけどとりあえず…刊行順に…。

    ※もうちょっと※
    まほろの書くキャラクターって女子より男子の方が魅力的に感じるんですけどね。今回は男子はほとんど出番無かったんで…。とりあえず柏木あたりを引っ張りだせば話が良い感じにしまるんじゃないですかね。まほろが変態化するけど。
    次巻に金之助再登場するみたいだけど何が起きても良いように心の準備しとく。

    ※さらにもうちょっと※
    作中で繰り広げられる「探偵論」、最初の方はミステリに良くある自家中毒というか、コップの中の嵐という感じがして、玄人受けはするんだろうけど…と思っていたんだけれど、それが最後に話に絡みついてきた手つきは、なかなか読めるものではないと思いました。オススメ(ここまで読んだ人はもうこれを読んでるだろ)。

    ※そういえば※
    作中作のなんたらかんたら(当然タイトル忘失)の中ではどういうトリックが使われる予定だったんだろう?

  • 読んだー!三作目ー!最初は読みにくくて涙目になっていたまほろ語にも慣れ、イケメン柏木の出番がないことからホモォ的観点で気持ち悪くないまほろさんでたいへん読みやすかったです。「無力化」って言葉すきねえ。
    他のかたのレビューを読んでてやっぱりあのラストに言及しないわけにはいかないと…
    裏表紙に「三部作が目標だった」と言っているだけあって、なるほどある意味三部作的かもな、と。
    あいもかわらずクレイジーで天才的な語学センス!!


    ところであのー、いそさんはいずこに…?(読解力不足)

  • 天帝シリーズ、重たかった。

  • 「よりよく生きたいからさ。人間だけに、世界を改造する意思と能力があるからだよ。そしてそれらは誰ひとりとして他人と共有することができない。人間が、摩擦のない意思の交換をできるようになるまでは。だから人間は自らの意思を理解してもらうより、それを他人に強いようとする。それを権力への試みといってもいい。そこに意思の暴力すなわち憎悪、そこに生の暴力すなわち食人が生じる。そういうことだ。ウミガメに意思を強いようという人間はいない。」シリーズ3作目。まじ名作。このシリーズの2段階の謎解きは本当に面白いな。

  • 2作目より読みづらくなった気が・・・。そしてその落ちは駄目じゃないか

  • まほろ孤島もの。孤島に館に怪人に隠し財宝と豪華な舞台設定で雰囲気抜群です。また前の二作に比べると冗長な部分が少なくきれいにまとまってる感じ(その冗長な部分も含めて好きなわけですが)。読み進めながらある程度推理できて、やっぱりそうかと思わせておきながら華麗に衝撃的にどんでん返す見事な展開でした。
    ラストはちょっとまほろがかわいそうです。続編なかったら正直救われない。というわけで、早く次を読みたい。

  • うげらぼあ!!

  • げええぇぇっ!? まじか。古野まほろ。ありえん……。
    絶句しました。これはあまりにも非道い。最後の「まとめ」をまほろがどんな想いで述べたかと思うと。詳しくは書きません。とにかく「天帝」シリーズ読んでみて、としか言えない。

    孤島、館、死神仮面、祈歌、隠し財宝などの胸踊るガジェット満載で相変わらず緻密なロジックでも魅せてくれるのに、そんなものすべて吹っ飛ばしてくれました。

  • はふう。   
    ww

    全然期待せずにまほろワールドに浸りたくて借りてきた三作目だったけれど、案外に響いた。今回のどんでん返しは綺麗に決められたかな。
    推理小説が綺麗に決まる条件っていうのは、作者の設定したラインと読者の考察ラインが漸近しきったときなのは自明だけど、この小説に限っては過剰装飾で覆い尽くされた状況証拠で、論理を導く気がしなくなる前作までなのが、今作では慣れてきたのか、いい感じに追えた。
    結末まで読んでしまえば、作中に漂うどこまでもお遊びな感じとプロットがしっくりする、本格ミステリしていたと思う。

    次が楽しみになってきた。

  • シリーズ第三巻にして、天帝三部作の最終巻。

    今回はミステリーサークル、絶海の孤島で事件が発生。
    相変わらず本格的な要素は多分に。
    一方でSFチックな設定も上手くアクセントが効いています。
    処女作「天帝のはしたなき果実」以降ずっと賛否両論の「まほろ語」も、かなり読みやすく進化しています。
    うげらぼあ!

    物語の展開的には、してやられたの一言。
    個人的にはやめてくれと懇願したくなるような結末ですね。
    4巻の鳳翔が出てなかったら、多分まほろを一生恨んでますよ。
    うげらぼあ!

  • あぁやっぱりそうなんだ、ってええええええええええ!
    二段目のオチにすっかりしてやられました。負けました。オススメに従って探偵小説先に読みますが、早く鳳翔読みたい気持ちでいっぱいです。作者サドや。いや、マゾか?

  • 先生流石です。

    前半だけ二回読んだ。
    ラストスパートが大変良かったです。

  • シリーズものでこれをやらかすまほろマジぱない。ほんとにどうしてこうなった。いや、面白かったけど。

  •  シリーズ3作目。まほろらが文化祭の演劇稽古で訪れた絶海の孤島で起きる連続殺人事件。独特な文章や会話のいいまわしは健在ながら,1,2作目よりだいぶ読みやすくなっている。ミステリとしても島に伝わる祈歌や隠し財宝という道具立て,物理的トリックそのものはオーソドックで悪くない。
     ただ,ちょっと犯人の行動に無理があるのでは。普通は疑いを持つと思うんだが。そもそも,これならまほろの前で事件を起こさなくとも,という気もするしなあ。その辺含めて次作への伏線なのだろうか。

  • ふ、ふ ら れ た ・ ・ ・ !

  • シリーズ三作目。「孤島」「死神仮面」なんていう言葉だけでわくわくしてしまう設定です。でもオーソドックスな孤島ミステリ、というわけではもちろんなく。
    たしかに論理面などは前作に比べるとかなりガチガチな面があるけれど、一癖も二癖もある展開に絶句。いろんな意味で凄いよこれは。ただ、前作からも言えることだけれど、独特の言い回しにいちいち引っかかってるとつらいものがあるなあ。
    孤島に「孤島パズル」と「十角館の殺人」って……それは素晴らしすぎますぜ(笑)。

  • 2008/06/25読了

  • 08/02/05

  • はふう、やっと読み終わったよ。今回も600ページ超。おかげさまで、読み終えるのに3週間かかってしまいました。実質的には、1日で100ページ読んで、3週間ほど放っておいて2日間で残りを読んだので、そんなに読みにくかったわけではなかったです。相変わらず、装飾過多なのですが、さすがに三作目なので慣れた気もする。今回は「孤島」が舞台。謎解きはやっぱり面白かったです。結構わかりやすいヒントだったし。ただ、ラストがなあ…。ちょっと非道いじゃないですか、と言いたい。「三部作は夢でした」と作者さんが言っておりましたが、まさかこれで終わりじゃないよね?四作目とか、ありますよね?でないと、まほろがあまりにも救われないです。

  • (2007.11)
    (2009.11)

  • シリーズ第3作目。表題通りの孤島もの。相変わらずくどい文体ですが、それがクセになるのです。一人称で進むので自然と読者の視点も固定されがちですが、ちょっと俯瞰してみると良いやもしれません。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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