真夜中のミュージシャン (講談社文庫 は 29-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061846432

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  • UKロックの1シーンを築いた偉大なミュージシャン・トリス・スカ―の自伝を執筆するため,ロンドン郊外にやってきたホーギーと相棒ルル.一癖も二癖もあるロックスターと心を通わせ,あるセンセーショナルなエピソードを聞き出す.それは,麻薬中毒で死んだ彼のバンド仲間が,実は殺害されたというもの.
    ホーギーがことの真相に迫ろうと,トリスの周囲にインタビューをする中,殺人事件が起こる.

  •  中盤までは、状況や人物の説明が多く、話としてはおもしろくなかったが、会話や文章がテンポが良く、飽きずに読めた。後半の部分は、テンポは良いまま、話がつながっていくさまが面白かった。
     ちょこちょこ出てくるジョークが面白いかった。だが、固有名詞が多くてわからなかったり、言葉のニュアンスが伝わらないジョークもあって、理解できなく十二分に楽しめなかったことが悔しい。

  • 第二作『真夜中のミュージシャン』を読みました。
    このシリーズは、間を置いて読むのがよさそうです。厭世的な台詞にグッとくる。

    今回の相手は元ロックスター。
    伝記の執筆を頼まれたホーギーは、
    「ビートルズ以来、アメリカに上陸した第二の旋風」
    「ローリング・ストーンズやザ・フーやアニマルズの先がけ」
    ロックバンドUsのボーカル、トリス・スカーと対面する。
    スカーは、死んだ元メンバーは、実は殺されたのだと話すが……。

    インタビューから偽のロック史が作られていく。ロックに詳しくない私も興奮しました。
    76年の全米ツアーをキューブリックが白黒のドキュメンタリー映画にした、とかね。
    ただ本筋はそこそこで…。なぜ第一作をさしおいて翻訳第一弾になったのか謎です。

    ところでこんな一節も。
    「レストランの中にはクリス・リーブがいて、金髪のあでやかな美女と食事をしていた。
    「スーパーマン・Ⅱ」のロケに来ているのだろう」
    今読むと痛ましい。

  • ホーギーシリーズ2作目。ホーギーとメリリーの場面が多くて良い。あと、家政婦のパメラ最高。あ、ルルも。登場人物・キャラ・会話・店・食事・服・小物・車・音楽、全部いい。

  • ホーギー&メリリーもの、いやルル(バセットハウンド犬)もの。鮭缶の好きなルルと落ち目で哀愁漂うホーギーと超売れっ子メリリーがなぜか探偵するはめに・・

  • <blockquote>「卵はどういうふうにするのがお好き、ホーギー?」<br>
    「他のあらゆるものに対する好みと一致しているんです」僕はコーヒーをかき混ぜた。
    「ソフトボイルド(半熟)がいい」</blockquote>
    デビュー作で大きな賞を受賞し、有名女優を妻とした"ホーグ"という小説家が主人公のミステリ。愛称は"ホーギー"。
    しかし、彼は二作目の小説が書けず、妻とも別れてしまいます。

    <br><br>そんな彼の今の仕事はゴーストライター。
    <blockquote>ゴーストライターは過去といわず現在といわず、有名人の秘密を嗅ぎまわるものだ。そしてその秘密を掘り起こされたくない人物が、たいていまわりにいる。僕が持っているのはペンであってピストルではない。変な騒ぎはごめんだ。だが僕の仕事自体が、変な騒ぎを呼ぶことがある。</blockquote>

    そんな彼が今回受けた仕事は、「T・S」ことトリス・スカーの自伝を書くことでした。

    <br><br>T・Sはかつて伝説的ロックバンド「Us」のメインボーカリストだった男です。
    <blockquote>ホーグ:僕は今までいろんな有名人に会ったけどね、幸せな子供時代を送ったやつなんて、一人もいなかったよ。
    <br>スカー:幸せな子供時代なんてものはどこにもねえのさ。たまたま聞かれてるのが、俺たち有名人だってだけのことよ。</blockquote>
    T・Sはかつての大スター。ホーギーにとってのスターでもありました。
    金と名声を手に入れ、クスリと女のやり放題。
    <br>そんな男の本音と秘密を、ホーギーは引き出そうとします。
    <blockquote>「パピー・ジョンソンは誰かに殺されたのかもしれないっていうことなのか?」<br>
    「殺されたのかもしれないじゃねえ、殺されたんだ」</blockquote>
    事故死として扱われたかつてのバンドのメンバー。
    <br>T・Sは「あいつは殺されたんだ」と告白するのですが……。

    <hr>
    私は海外もののミステリは苦手にしているのですが、
    これはとても読みやすくて面白かったです。<br>
    何より、ホーギーとT・Sの、ホーギーとメリリー(元妻)の会話が
    とってもカッコいいですね。大人の駆け引きってやつでしょうか。<br>
    森博嗣さんが「S&Mのシリーズではこの作品の会話を真似したかった」といっていたのも納得です。
    <blockquote>「君はなんでもよく似合うよ。自分でもわかってるだろうけど」<br>
    「女の子はね、好きな男性がそう言ってくれた時にしかわからないのよ」<br>
    「僕、君の好きな男性?」<br>
    「それがわかっていたらどんなにいいか」震えるような声だった。「本当にごめんなさい」<br>
    「だめだよ」僕は彼女のあごを手の平ですくうように上へ向け、緑の瞳をのぞきこんだ。一瞬、その満々と水をたたえたような緑の輝きは、僕にすべてを忘れさせた。「あと一晩は、君は僕のものだ」<br>
    いや、これからだってずっと、彼女は僕のものだ。</blockquote>
    大きなトリックがあるというのではなく、
    ストーリーと会話を堪能する小説って感じですね。<br>
    僕はこういうの好きです。

    <hr>
    <a href="http://blogs.dion.ne.jp/zzz/archives/1035178.html" >※その他の本の紹介・感想まとめはこちら</a>

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