無明の蝶 (講談社文庫 て 8-1)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 37
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854635

作品紹介・あらすじ

蔵書を値踏みする商売は、書物を愛した人の精神と人生の裏模様まで見透かすことになる…。閑を売っている古書店主の周囲に集まるのは、贋作者やホモなど奇妙な人びとと、棟方志功の肉筆や得体の知れない猫。不思議な味わいを達意の文章で織り出して一躍注目された、古書店主兼直木賞作家の、傑作小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 古書、古書業界にまつわる話や昭和の香り漂う話が収められている。
    表題作の無明の蝶、赤い鳩は読後しんみり。
    その他は軽いタッチで古書業界が伺えて興味深い。
    どれもじんわりとくる。

  • 目次
    無明の蝶
    猫じゃ猫じゃ
    四人め
    とろろ

    雲烟万里
    赤い鳩
    解説 逢坂剛

  • 正直、めちゃめちゃ面白い。文章のリズムが心地よく、読み終わるのが勿体なかった。読書の醍醐味って、つきつめれば「読んでて心地いいかどうか」だと思う。直木賞候補作にもなった本作。なのに、何でこの本が絶版なのか!?解せない。<br>
    古本屋「芳雅堂」を営む「私」が語り手の、連作短編集。ユーモラスで、どこか奇妙な古本屋のお客や友人たちとのやり取り。「私」の名前は出てこず、かつ、著者が営んでいた古書店の名前も「芳雅堂」であるが故、虚実ない混ぜになった感が面白い。

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著者プロフィール

出久根達郎(でくね・たつろう):1944年茨城県生まれ。中学卒業後、上京、古書店に勤務する。73年から古書店・芳雅堂(現在は閉店)を営む傍ら、文筆活動に入る。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、93年『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞する。2015年には『短篇集半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『おんな飛脚人』『安政大変』『作家の値段』など多数がある。

「2023年 『出久根達郎の古本屋小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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