ムーミン谷の冬 (ムーミン童話全集 5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061882256

作品紹介・あらすじ

お日さまがいなくなってしまった寒くて長い冬。雪にうもれたムーミン谷は、青白い月の光にてらされて、ひっそりと冬眠中。でも、いるんです。冬には冬の生きものが…。

感想・レビュー・書評

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    ムーミン童話全集 ⑤

    ムーミン谷の冬

    1990年10月24日 第1刷発行
    2013年2月12日 第25刷発行

    著者:トーベ・ヤンソン
    発行所:株式会社講談社

    カバー袖より
    お日様がいなくなってしまった
    暗くて長い冬
    雪に埋もれたムーミン谷は、青白い月の光に照らされて、ひっそりと冬眠中、
    でも、いるんです。冬には冬の生き物が…。
    ----------

    ・ムーミントロール 冬眠中に目が覚めてしまい、初めての冬の世界を知る。ご先祖様など、夏には姿を見せない、いろいろな生き物に出合う。
    ・ミイ とてもおてんばな小さいむすめ。スケートやそりすべりで、冬を思うぞんぶん楽しむ。
    ・おしゃまさん ムーミン家の水あび小屋に、冬のあいだ住んでいる。悪化と白のしまもようのセーターがよくにあう。
    ・子りす ふさふさのすてきなしっぽをもっている。雪の中をはねまわっているときに、おそろしい氷姫を見てしまう。
    ・ご先祖様 ムーミンやしきの大ストーブに住む、ムーミンのご先祖のトロール。
    ・とんがりねずみたち 冬のあいだ、おしゃまさんといっしょに水あび小屋に住んでいる。はずかしがりやなので、自分を見えなくしてしまった。
    ・めそめそくん 自分のことを、つよいおおかみの仲間だと思っている、ひとりぼっちの犬。
    ・ヘムレンさん すばらしく元気で陽気なヘムル。スキーが得意。お人好しで親切なのだが、それが時には、人に迷惑がられることもある。
    ・サロメちゃん きらわれもののヘムレンさんを、心から愛するただひとりのはい虫
    ・ムーミンママ 春がやってきて、長い冬眠からめざめる。ムーミンやしきの掃除をしたり、ムーミントロールにかぜ薬をこしらえる、やさしいママ。
    ・フィリフョンカ 虫、橋を渡ってきた。
    ・ガフサ夫人 威張りや
    ・年をとったホムサ 

    -----------------------


    手にした理由
    ムーミン好きの友達がいて、どんな話なんだろう?って。
    で、ムーミンのシリーズには100以上のキャラクターが登場するとか、子どもの頃の絵本でしか知らないので、そんなにキャラクター居たかしら・・?と改めて手にしてみました。ホントは出版順に読んでいきたいのですが、冬になりましたので、シーズンが合致する方が楽しめるかなと冬のお話を‥。確かに寒いので冬なんですけど、今年は今のところ、例年よりは暖かいので、中々進みませぬw・・。

    この巻にもヘムレンさんが出てくるのか…。好かんなぁ。
    お話としてはそういう立ち位置の人も必要なんだろうけどw
    ぼちぼち読みます。たぶん

    --------------

    自分にはイミフだった日本語
    P51 ああいう連中は、ただそこにいるからいるのですが、(「から」の使い方が不自然に感じる。
    P52 ちどりがけにあんだおぼんいれ  (どんなものかわからない)
    P52 メリケン粉
    P113 灰かぐら 
    P116 きわた キワタという植物?木綿のこと?楮?
    P125 海泡石(かいほうせき) 石灰の類 セピオライト 鉱物 トルコで産出されるパイプたばこのキセルに使われる。
    はい虫 虫なの?ヒトなの?どんなものか想像ができませんでした。
    タイルストーブ 見たことないので、どんな仕組みになっているのかもわからない。
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    作者さんは北欧の人なので、北欧の景色や雰囲気が、多分こんな感じなんだろうなと想像しながら読みました。
    海に氷が張り、それが春になると水が動き、(風によるものなのか、潮流なのか、水塊の動きなのかはわからないけど)割れてゆく様は、経験が無く、ものすごいんだろうなと思うばかり。
    雪国や寒いところに住んだ経験があるので、おおよそどんな感じなのかは、創造することが出来ました。春が来ることが、とても嬉しく感じるというのは理解できた。


    あちらの人たちは、そのような文化を持っているのかもしれないけれど、見ず知らずの生き物が、自分の家に入って勝手にものを使って…。というのはアリなんでしょうかね?

    相変わらず、ヘムレンさんは自分以外のことは考えも及ばず、チビのミィも自分が楽しむだけ。描写は「こんなことをやっている」というものだけ。ご先祖様もまわりとはかかわらない。「おしゃまさん」は私的に初コンタクトのキャラですが、勝手に住み着いて、達観して「あれは、ああいう生き物なのよ」的な考え方をするキャラなんだと受け止めました。冬にはスナフキンが居ない設定なので、(通常はムーミンたちは寝ていて何事も起こらず、起きてもわからないので物語にもならず)冬のスナフキン的な立ち位置なんでしょうか‥。

    自分の知らない「物」「者」が多く、登場人物も自分の好きなことをしているだけで、共感もできないまま終わりました。

    自分には高尚過ぎる作品だったみたい。

  • 冬眠していたムーミントロールが途中で目覚めてしまう。
    登場人物?がたくさんいすぎてたのしい。
    目つきの悪いムーミン一族の絵はこの巻に出てきた。

  • 冬眠中にうっかり目覚めて眠れなくなってしまったムーミン。外はまだまだ冬。ムーミンは、今まで会ったことのない冬の生き物に触れながらはじめての冬を過ごす。
    みんなに好かれていないヘムレンさんにもやさしくしようとするムーミンが愛しい。目覚めたあとのママの安心感がたまらなかった。

  • 今まで読んだムーミンシリーズで本作が一番面白い。ミイになりたい。

  • ママの目覚めがたまらなくて、くりかえし、くりかえし読みました。
    長い冬を過ごしたからこその、この、安心感。
    じんわりと涙が出てしまいました。

  • 「耳をすましてみると、ひっそりとしたしずけさの中に、とてもひくく、しずかな、やわらかいハミングの声が、聞こえるようでした。たぶんその音は、海がだんだん下のほうまでこおっていく、その知らせの音なのでしょう。」

    「この世界には、夏や秋や春にはくらす場所をもたないものが、いろいろといるのよ。みんな、とっても内気で、すこしかわりものなの。ある種の夜のけものとか、ほかの人たちとはうまくつきあっていけない人とか、だれもそんなものがいるなんて、思いもしない生きものとかね。その人たちは、一年じゅう、どこかにこっそりとかくれているの。そうして、あたりがひっそりとして、なにもかもが雪にうずまり、夜が長くなって、たいていのものが冬のねむりにおちたときになると、やっとでてくるのよ。」

    多くの人は、恐怖で認めたくなかったり、日々の生活に流されて気づかない存在を、ムーミントロールは消して否定しないしなかった存在にしない。
    「あの人たちのことは、ぼく、なにも知らないんだものね。流しの下のやつとか、そこの戸だなにいる連中とか。じぃっと見つめるだけで、ひとことも口をきかないモラルとか。」
    ぶっきらぼうな物言いをすることもあるけれど、きちんと、そこにあると認めてくれている。
    「そんなもの、存在しないよ」とは決して言わない。

    作者はムーミンたちを「バーレルセル」だと表現しています。「バーレルセル」とは、スウェーデン語で「確かに存在はするが、よく分からないもの」という意味だそうですが、まさに、と改めて思う。

    氷や雪に囲まれた世界に日常がある人だからこそ、描けるフレーズだなぁと思うものがたくさん散りばめられている。

  • 冬眠中に一人目を覚ましてしまったムーミン。今まで知らなかった生き物たちに出会う。
    ご先祖さま出演回なので、ご先祖さまのぬいぐるみを引っ張り出して飾ることにした。かわいい。

  • ムーミンバレーパークで注目!
    雪にうもれたムーミン谷は、青白い月の光にてらされて冬眠中。でも、いるんです。冬には冬の生きものがー。

  • 慣れ親しんだ居心地の良い世界からの脱皮

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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