ビルマの竪琴 少年少女日本文学館 (16)

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  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061882669

感想・レビュー・書評

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  • 戦後70年の今、戦後40年の昭和60年のあとがきがあるこの本。
    惨さの描写は少ないが、戦時中、戦後、高度経済成長の昭和60年代へと通じる、先進国の在り方を問う作者の訴えは戦後70年の今でも人間の生きる姿勢への警鐘を鳴らしている。自分さえ良ければ・・・と言う人々気持ちは増々強くなって世界はどんどんプラスティックになっている。

    しかし、この本にあるように隊の中の信頼関係は本当に生まれるのだろうか。
    以前、読んだ茶道・遠州流の家元の書いた随筆に戦争へ行ったおりの描写があった。戦後、彼の隊はシベリアに抑留され、彼は自分の隊員が苦しまないように心をつくしたが、結局のところは冷めた人間関係であったし、母国に戻って再会することなどありえないと書いてあったのを強く覚えている。それほどに戦争は冷たく惨いものでおおよそ暖かい感情など生まれないのだと。

    それでも、現在へ続くこの世の中で、なんとか世界が保たれているのは水島のような人が少なからずこの世に存在しているからだと思う。お金を生み出さない「祈り」を人知れず行ってくれている人がいるからだ。

  • たしかに、きれいすぎる話だけど
    水島のような行動もきっとあったのかなぁと、なかったかもしれないけど、そんな気持ちをもっていた人もいたんだろうなぁと

    残虐さや、反省を求めるものも多いけど、発展をとるか心の平穏をとるか
    いろいろ考えさせられるなぁ

  • 「おーい水島、一緒に、日本へ帰ろう!」

    正直この一言だけで泣ける!いや、「埴生の宿」の伴奏だけで泣ける!『ビルマの竪琴』はそれだけの泣きの名作であります。物語の構成と言い、第3章の水島上等兵による長い長い手紙と言い、淡々とした展開が与える重みと感動は他の小説の追随を許しません。

    そして巻末の「ビルマの竪琴ができるまで」の中に見られる著者竹山氏の謙虚な姿勢に、また心打たれます。

  •  中学生のときに読みました。イロイロツッコミどころはあるんでしょうが大好きです。Musik kennt keine Grenzen、おおー。

  • 資料のため再読。初読は小学生の頃でした。ぼろぼろ泣いた覚えが。この話はとても好きです。

  • 2度めの読み(小学高学年)でやっと内容を理解して泣いた。

  • 水島上等兵の処し方をどう解釈すれば良いのか,未だに答えがでていません。

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著者プロフィール

竹山道雄(たけやま・みちお 1903-84)
1903~1984年。1920年旧制第一高等学校入学、1923年東京帝国大学文学部入学、1926年東京帝国大学卒業後、一高の講師となる。20代でベルリン、パリに計3年間留学、帰国後、一高の教授となる。1948年『ビルマの竪琴』(中央公論社)を刊行、毎日出版文化賞を受賞(以後、二度に渡り映画化される)。1950年一高廃止と共にその後身の東京大学教養学部の教授となるが、翌年には辞し、文筆に専念する。『新潮』『芸術新潮』『心』『自由』などを舞台に、「見て・感じて・考える」を根本姿勢とし、時代の風潮に流れない執筆活動を続ける。著書は『古都遍歴』『昭和の精神史』『まぼろしと真実』『剣と十字架』など、芸術論から時論、紀行文など幅広く、ニーチェ『ツァラトストラかく語りき』『善悪の彼岸』イプセン『人形の家』ゲーテ『若きヱルテルの悩み』など優れた翻訳も残す。1983年『竹山道雄著作集』全8巻刊行。

「2017年 『主役としての近代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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