宮沢賢治覚書 (講談社文芸文庫 くD 2 現代日本のエッセイ)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061961203

作品紹介・あらすじ

大正十三年四月『春と修羅』上梓-賢治二十八歳、この夏、それを手にした心平二十一歳。至純な天性が、もう一つの"異数"の天性に"出会い"、画期的な"言葉の宇宙"に鋭く感応する。日本近代詩史の勃発的事件-「宮沢賢治」。賢治評価の第一ページを拓き、その全集を編集した草野心平の限りなく深い理解と熱意溢れた"讃歌"。

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  • 草野心平 宮沢賢治 覚書

    宮沢賢治詩論。「春と修羅」「農民芸術概論」から「自然への感動」「農民生活」「宗教=宇宙感覚」を取り出し、四次元芸術論を展開


    四次元芸術とは、現実から時空的に飛躍した幻想の場の中に 身を置くことにより詩作(心象スケッチ)された賢治の芸術特性であり、単なる文学
    的な幻想でなく、科学的な背景と仏教的ヒューマニズムを持ち、生活そのものを芸術にまで高めようとしている


    著者が賢治作品の中で目付けしたキーセンテンス
    *詩は裸身にて理論の至り得ぬ堺を探り来る。そのこと決死のわざなり
    *まづもろとも宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう
    *永久の未完成これ完成である


    「イーハトヴは一つの地名である」の解釈は秀逸〜一つの地名であると同時に愛の時空圏であり、その圏内に散った微塵である


    賢治は自然への感動から出発した
    *賢治は原始の眼で自然を見た〜古代人の如き純粋さで自然に驚愕した
    *詩は最初に叫びであった〜自然は常に古典であり新鮮である
    *世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない


    「春と修羅」から色彩と音楽を見出している
    *色彩の主調をなすものは東北以北の晴天〜透明なガラス青
    *音楽は、シンフォニー的












  • 宮沢賢治覚書(講談社文芸文庫ー現代文日本のエッセイ)

  • 2009/3/10購入

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著者プロフィール

一九〇三年(明治三六)、福島県生まれ。二一年、中国・広東省広州の嶺南大学(現・中山大学)に留学し、詩作を始める。二五年に帰国し、宮沢賢治らと同人誌「銅鑼」を創刊。貧困の中、新聞記者、焼鳥屋、出版社の校正係などで生活の糧を得ながら、詩や画など多彩な創作活動を続ける。三五年には、中原中也らと現代詩の同人誌『歴程』を創刊。四八年、『定本 蛙』を中心とする一連の「蛙の詩」で読売文学賞(詩歌部門)、六九年、『わが光太郎』で読売文学賞(評論・伝記部門)を受賞。八七年、文化勲章受章。88年、没。

「2017年 『酒味酒菜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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