コチャバンバ行き (講談社文芸文庫 なD 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061961418

感想・レビュー・書評

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  • 皿皿皿と皿の途中の章を読んでいる時、今すごいものを読んでいるという思いになった。それなのに後半、自分の気持ちが離れていって、そのまま読み終えてしまった。
    惚れ込むほどに上手さのある作家だ。けれどもこの作家を上手い作家として見てはいけないように思う。皿皿皿と皿を肯定するためには、批評が必要だ。この作品解説では四季折々の季語を織り交ぜた、俳句的な要素のある作品だと書かれているが、それもそうとして、永井の奥底に迫るような切り口を見つけなければならない。コチャバンバ行きの終わり方には、作品全体を包み込むような(そのような終わり方を、終わりというのだと僕は思う)確かな力があった。だから好きだったのだ。僕は、小説というのは終わり方がほんとうに大切だと思っている。
    けれども、この作品集から良い言葉をたくさん知ることもできた。良い言葉を知ると、そこから良いものに出会える。「落葉松」という単語が出てきて調べてみたら、島倉千代子の「哀愁のから松林」という歌を知ることができた。島倉千代子のことが好きだと気づいた。こんなふうな贈り物をしてくれるから、やっぱり本を読むって素敵なことだ。

  • 題名が、忘れがたい。
    10年ぶり以上空けての再読。私小説の安定感。

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