世阿弥―花と幽玄の世界 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061963948

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  • 「白洲正子」の「世阿弥」

    白洲正子の思考が辿りづらく、うまく頭に入ってこなかった。
    住む世界が違うと思考もここまで違うのか、とすら思わせる。本人の自覚がない、上からの解釈の押し付けにも近い何か。もう少し彼女の著作を読み進めれば、その奥にあるものを掴めるだろうか。生い立ちや境遇がもたらすものを差っ引いた、彼女が追い求め感じたものを。

    「能」に詳しく、どっぷりと浸かりこんだ人向けに書かれたもののように感じる。まるで知らない初心者そのものの自分にはよそ事のように思えるほど。
    というわけで、「世阿弥ってどんなかなー」くらいの気持ちで読んだらおそらく途中で投げ出される1冊だろう。
    実にハードルが高い。

    ところで白洲正子の時代にも、世阿弥が配流先から帰ってきてたことが当たり前になっていたことに驚いた。なんで流されっぱなしで話が終わる解説が多いんだろう。これも「能」が世間一般に受け入れられ難い、とされているジャンルゆえだろうか。
    ドラマチックだと思うんだけどね、彼の人生も含めて「お能」ってやつは。

著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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