鳳仙花 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061976252

作品紹介・あらすじ

本書は「鳳仙花」「乾いた河」などの代表作のほかに中山義秀との交友を描いた「忍び草」など七篇収録。

感想・レビュー・書評

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  • つげ義春の本に出てきた作家で、作品が気になって一冊買ったらはまった。

    なんかもう、死んじゃうんじゃないか、どこかその辺の道で、倒れてそのまま息絶えるんじゃないかとはらはらしながら読む。私小説なので、山も谷もない。人生の、「どうにもうまくいかないけれど、流れてはいく」、そんな小説。

    どこかいつも死が潜んでいて、何かうすら寒さを覚える。若い時に読んでも分からない、首を傾げてちょっとため息をつくような。「私」の不甲斐なさと、それでも何のかんのと歩いていく、その背中に、人が生きるということの輪郭が見えた気がした。

  • 2016/8/7購入

  • もう一人の自分と我慢比べをしていて、永遠に勝ち負けの無い生き方をしているように感じました。
    這いつくばりながら生きていると思いながら読みつ進むうちに、主人公の感覚は漂うような生き方をしているのかなと思え、当時の社会を主人公というフィルターを通して見せてもらえている感じがしました。

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著者プロフィール

川崎長太郎(1901.11.26~1985.11.6) 小説家。神奈川県生まれ。小田原中学を中退して、家業の魚商につく傍ら、同郷の民衆詩人福田正夫に師事、左翼的作品を発表。1920年頃より上京、帰郷を繰り返す。繰り返す。23年、萩原恭次郎、、岡本潤らと「赤と黒」創刊。震災後アナーキズム運動から離れ、25年、徳田秋声の推挽で「無題」を発表、文壇デビュー作となる。私小説家を目指すが、不遇な時代が続く。38年、永住の覚悟で帰郷、実家の物置小屋に棲み、創作に専念。54年、娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きる。62年、結婚。私小説一筋の生涯を貫いた。著書に『裸木』『浮草』『女のいる自画像』『女のいる暦』『忍び草』『幾歳月』『淡雪』『夕映え』『老残/死に近く 川崎長太郎老境小説集』『泡/裸木 川崎長太郎花街小説集』など多数。

「2015年 『ひかげの宿/山桜 川崎長太郎「抹香町」小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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