- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061982642
感想・レビュー・書評
-
本書は粒揃いの短編が収録されているが、伊井直行の「ぼくの首くくりのおじさん」目当てに久々に読んだ。おじさんのユーモアのセンスと主人公との関係性(そこにある不思議な親密さ)に惹かれる。主人公がおじさんとの付き合いのなかで受け取ったものは何なのか、それはきっと「学ぶ必要のない教訓」ではないだろうが、果たして…と思いを巡らせる。
私は学生の頃に、この戦後短編小説再発見シリーズから多くの発見と素晴らしい読書体験を得た。あらためて買い直したいのだが、残念ながら現在品切れ重版未定のようである。再版を望む。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第4巻は『漂流する家族』がテーマ。収録作家は久生十蘭、幸田文、庄野潤三、津島佑子など。
1巻〜3巻までは割と暗い雰囲気の短篇が多かったのだが、4巻はそうでもない。家族というのは、多少、壊れていても(或いは壊れかけであっても)、本質的に暖かいものだということか。
幸田文は若い頃にちょっとだけ読んでそれっきりだったが、歳をとってから読んでみると非常に味わい深く、良い文章を書くことを発見した。まさに『再発見』。 -
短編集のタイトル通り「漂流する家族」が描かれている。家族というのはまったく不思議なものだと思い知らされる。夜空の星のように寄る辺なくもあり、しかしそう思うこと自体が滑稽でもある。
-
2010/7/16購入
-
津島佑子の「黙市」は昔読んだことがある。庄野潤三の「蟹」心に残った。