- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061982703
作品紹介・あらすじ
既成の通念を乗り越えようとする果敢な試み-言葉の生命力を生かして、新しい文学表現の可能性を追求した十二篇。
感想・レビュー・書評
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アンソロジーですがこの巻は収録されているのがほとんど好きな作家ばかりなのと、藤枝静男「一家団欒」が読みたくて手に取りました。好きな作家ばかり・・・となると既読の作品も多かったのですが、未読のものでもなぜこの作家の数ある名作短編からこれを?というチョイスの謎な作品はいくつかあり(高橋源一郎「連続テレビ小説ドラえもん」は悪ふざけがすぎるし、石川淳「アルプスの少女」も何故あえてこれを選ぶのか?、笙野頼子「虚空人魚」もどちらかというと代表作とは言い難い。もっと面白い短編あるのに!)ちょっと不満。
全く読んだことのない作家は小川信夫だけだったんですが、「馬」はなかなか面白かったです。半村良、筒井康隆といった基本SF畑の作家の作品も、こんな日常的なことが感覚や描き方ですっかりホラーに!という斬新さがあって面白かった。安部公房「棒」は中学校の国語の教科書で読んだのが最初で、当時箸が転がっておかしい年頃だったもので「先生、ひげが…」がツボにはまり笑い転げた記憶が。
お目当ての藤枝静男「一家団欒」は期待を裏切らない面白さでした。吉田知子「お供え」は小川洋子選のアンソロジーで読んでいたく気に入っていたので、今回もラストを飾るに相応しかったと思います。
※収録作品
内田百けん「ゆうべの雲」/石川淳「アルプスの少女」/稲垣足穂「澄江堂河童談義」/小川信夫「馬」/安部公房「棒」/藤枝静男「一家団欒」/半村良「箪笥」/筒井康隆「遠い座敷」/澁澤龍彦「ダイダロス」/高橋源一郎「連続テレビ小説ドラえもん」/笙野頼子「虚空人魚」/吉田知子「お供え」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆうべの雲(内田百閒)◆アルプスの少女(石川淳)◆澄江堂河童談義(稲垣足穂)◆馬(小島信夫)◆棒(安部公房)◆一家団欒(藤枝静男)◆箪笥(半村良)◆遠い座敷(筒井康隆)◆ダイダロス(澁澤龍彦)◆連続テレビ小説ドラえもん(高橋源一郎)◆虚空人魚(笙野頼子)◆お供え(吉田知子)
解説:清水良典 -
第10巻は『表現の冒険』。収録作家は内田百けん、稲垣足穂、安部公房、澁澤龍彦、笙野頼子など。
この巻のテーマは『何を書くか』ではなく、『如何に書くか』であると思う。いずれも趣向を凝らした短篇で、10冊中、読んでいて一番楽しめた。
11巻~18巻も復刊して貰えないだろうか……。 -
小島信夫「馬」など、不条理・不思議・悪夢のような短編が12編入っている。味わい深い。おすすめ!