- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061983205
作品紹介・あらすじ
神ならぬ人間の身で世界のすべてを究めたい欲求に憑かれたファウストは、悪魔メフィスト‐フェレスと契約を結ぶ。文豪ゲーテ畢生の大作が柴田翔の躍動する新訳で甦る。
感想・レビュー・書評
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2023/3/9
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現代語訳の決定版とも言える。
森鴎外訳が一番情緒があって好きだけど、読みやすさで言えば、この柴田翔訳は絶品。
この世に存在する唯一の世界文学とも言える本書、読んだことがない人は、是非この柴田翔訳でどうぞ。 -
本書を読んだ上で、原典に当たるのが一番か。
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赤塚図書館海外文学ゲ
誰しも生きるは人生なれど、人生知るものは数少なしp20道化のセリフ
俺が仮にも将来ある瞬間に向かい
留まれ!お前はあまりに美しい!と言ったなら
もう俺はお前のものだ
俺は破滅に甘んじる!
そのときは葬送の鐘よ鳴り響け
時計よ止まれ 針よ落ちよ
お前は俺への奉仕から解き放たれ
わが時は終わったのだ!p120ファウストのセリフ
喜びと悲しみはいつも一枚の紙 その表と裏なのですよp207 -
有名な「ファウスト」を初読み。
戯曲形式なので読みにくいかと思ったら、それほどでもありませんでした。
その土地や時代、キリスト教の基礎知識がないとちゃんとはわからないのでしょうが、それでも魅力ある作品で、思いのほか面白かったです。いろんな作品の題材に使われるわけですね。 -
人間という不可思議な生き物について、悪魔が世界を交えて物語っていく。
なんて興味深い作品なんでしょう。
人は、命を維持し学び生殖していく欲望の陰に、衰退堕落し死へ向かう願望を持つ。なぜこんな矛盾を抱えて生きるのか。
メフィストはただ、動く世界と生きる人間を物語るだけであって、不思議なのは生命それ自体なのではないだろうか。 -
第一部の終盤で心が折れてしまった。一つ一つのシーンの間にどれだけ時間的な尺があるのか実感しにくくて、いまいちストーリーの流れに身を沈めれなかった。読み込めばもっと楽しめるんだろうけど、今は言葉だけが上滑りしていくようで頭に入ってこない。
勢いで第二部もななめ読みしたが、どうやら真剣に取り組む気力がないとファウストの世界は入門することさえ許されないようだ。著者と自分の文化的背景において共有しているものが小さいことも溝を感じる。 -
2011.03.20-
訳が私に合ってたのか、二度目だからか分からないけど、初めて読んだ時より親しんで読めた。
人間は意志薄弱で迷いが多く、他人の過ちを裁きながら同じ過ちを犯したりする。そうでなきゃ、自分で自分を限定することで少しは賢くなったとうぬぼれている。それでもどうにか生きようとしている。