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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061984868
作品紹介・あらすじ
正岡子規と高浜虚子-無二の友でありかつ火花を散らす二つの個性。病床に臥す子規の日常、死を所有する内奥の恐怖と孤独を凝視、写実に徹した写生文の白眉と評された長篇小説。
感想・レビュー・書評
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新聞連載で、1話ずつ掲載、5話で1章の計20章立て、合計100話連載と云う数ではありますが、文庫本になってしまうとその薄さにさらりとすぐ読めてしまう物かと思いきや、一話ずつ一文ずつをいちいち噛みしめつつ読み込んでしまいました。この処、正岡子規をめぐる本を鋭意に読んできましたが、やはり一番近くで本人を見てきただけあり、最も赤裸々で、生々しく、濃厚な一冊でした。
虚子は2度も後継者話を蹴り子規を絶望させていますが、それでも最期まで子規の看護に勤め、看取ります。かと言ってその人を底抜けに敬愛していたわけでも無く、どちらかと云うと、敬意?の中には諦観が見え隠れしてるというか…ヤレヤレだぜ、みたいな。何とも説明しにくい2人の関係だなあと。
正岡子規大好き!と云う方の書かれた本には、やはりどこか夢見がちなファン心理と云うか、作品は悪くは無いけどホントかいな?と云う疑問が残るのですが、これはそう云う気持ちを覚ましてくれる点から、最も本人にクローズアップできるファンブックとも云えます(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示
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