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- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062043038
感想・レビュー・書評
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第100回芥川賞を受賞した在日韓国人2世の作家李良枝さんの小説です。
日本に生まれ育ち日本人として生活してきた主人公ユヒ。母国である韓国に留学しますが、理想とする母国像を強く持っていて、現実の韓国の文化や人、言葉を受け入れられずにとうとう韓国の大学を中退し、日本に帰国してしまう話です。最後の下宿先のオンニ(お姉さん)の目線でユヒが語られています。
ユヒは日本に帰る決断をしたけれど、またいつかきっとオンニが言うように旦那さんと子供を連れてオンニとアジュモニ(おばさん)の前に現れる気がします。言葉の杖を自由に操り両国間を往還して生活するユヒの姿を想像して本を閉じました。
外国語を身につける事は、その国の人や文化を受け入れ、その国の事が好きで興味を持てる強い何かがないと難しいことなんだと改めて感じました。留学時代に読んでみたかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
在日韓国人がソウル大学(S大学)に留学するが結局退学して帰国してしまう話である。韓国語を流ちょうに話さない、という状況を背景に持ってきている。
パッチギと同様に、在日韓国人の韓国での位置について、また新しい問題点を提起している。 -
第100回 芥川賞 初版