霧ホテル

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062087513

感想・レビュー・書評

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  • この世ならぬ逢魔が時の美曼茶羅。
    言葉の魔術師・赤江瀑が紡ぐ、見果てぬ夢の数々……。
    つれて帰ってくださんせ。
    お江戸へ――。
    地の果て、海峡の町の幻霧からしのび出た遊女の口説き。
    法悦と戦慄が織りなす幻想譚12。
    日清戦争講和会議の下関へ李鴻章の輿の担ぎ手として来た美青年との一夜恋が転生する「龍の訪れ」。愛した女達の頭蓋骨が月の庭に埋まっている表題作等。
    (アマゾンより引用)

    私、この人の話苦手

  • メモ用のメモです。
    赤江瀑の短編集。
    霧ホテルP16
    「よう言う人がいますわな。生涯、未完。未成。未熟。自分の仕事に出来たと思ったことはありませんて。なんか、そういう意味合いのこと、言う人がおっしゃろ。わて、あれ聞くと、虫酸が走りますのんや。なに甘っちょろいこと、言うてんのや。一舞い、一舞い、これが生きるか死ぬかの、真剣勝負。もうこの上はない、これが頂上。自分でそない思えんような舞いなら、舞うな。見せるな。満足しきったものだけを持って、出てこい。人にものを見せるということは、そういうことや。精根尽くし、空になって、もうその先は、あらへんのや。一舞い、一舞い、明日はない。舞い切って、生きるということは、そういうことやと、肝に銘じてきてますのや」

  • 独特の世界観を醸し出している作品。
    はまる人にとってはまさに「ズキューン」な本です。
    だけれども関西弁が人によっては
    読みにくいかもしれません。
    (私の場合は関西弁圏の人がいるので問題なし)

    まさに幻想的、と言う言葉がぴったりです。
    時には非現実のものが
    現実に感じられるようで
    恐ろしさすら覚えます。

    ずーーっと
    この世界に浸っていたいものです。

  • 読み応えのある短編集でした。
    心を病んだ男、その男と無理心中を図って自分だけ死んでしまった妻の幽霊、男の世話をする女の奇妙な同居?を書いた眠る劇場が特に好き。
    この作者は幽霊と生身の人間の会話を普通にさらりと書くのがすごいと思う。

  • 1997.8.27 1版 1,700
    霧ホテル・隠れ川・眠る劇場・宵宮の変・夢違え詣で・恭々しき春・桔梗色の火のけむり・闇の渡り・辛紅の眠り・愛しき影よ・星月夜の首・龍の訪れ

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著者プロフィール

1933年下関生。日本大学芸術学部中退。70年「ニジンスキーの手」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。74年『オイディプスの刃』で角川小説賞、84年『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞。2012年没。

「2019年 『オイディプスの刃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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