カブキの日

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 54
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092890

作品紹介・あらすじ

今日、運命の舞台に奇跡が生まれる。日本一の大劇場「世界座」の迷宮をめぐる、美少女・蕪の時空を超えた旅が始まった!第11回三島由紀夫賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 3階すごい

  • 歌舞伎を“カブキ”としてファンタジーにする発想がすばらしい。
    ただ歌舞伎好きだからちょっと点がからくなってしまった。

  • こんなタイトルでちゃっかりSFエンターテイメントだったりする。
    ディズニーランド規模のカブキの劇場「世界座」にて、
    少女蕪は若衆月彦とともに死んだはずの祖父に会う為、
    魔窟「三階」を跳ぶように駆けめぐる。

    藝をするものの熱意と苦悩、それだけでなく観客も大事なんだと思わされた。
    死にかけたカブキの舞台に、少年少女は時空を超えた躍りを現出する。
    「ロミオとロミオは永遠に」を思わせる喧噪と熱狂に魅了された!
    ヤングアダルト小説の読み応えや「千と千尋の神隠し」が好きな人にお勧め。

  • 読み応えはさっくりとヤングアダルト小説の態。ちゃっかりSFだったりする。霧の中を幾艘もの船がこぎ出し、そこに軽々と少女が飛び乗る場面から始まる。船が向かうのは「世界座」。琵琶湖畔にディズニーランド規模で臨する目映いカブキの大櫓だ。少女・蕪は若衆の月彦とともに魔窟「三階」を胎内めぐりし、やがて死にかけたカブキを今一度よみがえらせる。「千と千尋の神隠し」、「不思議の国のアリス」のようでもある。圧倒的な猥雑さと輝きの渦巻く迷宮である世界座の描写に、ともすると筆力が追いついてないようでもあるが、兎に角楽しい!カブキとは「きらきらした死の匂い」でもあり「生の輝き」でもあると言う。混迷の舞台に少年少女が舞い降りたとき、観客も役者もカブキの原初の躍りを感じる。「ロミオとロミオは永遠に」なんかが好きだとこちらもかなり気にいると思う。藝とはなんぞやという役者の葛藤もあり、観客の野放図な期待や噂も楽しくもあり、何より世界座を跳ぶように駆け回る蕪の可愛いこと!がっちりした読み応えはないけれども魅了され、個人的にベストヒットなエンターテイメントだった。いやー文庫買っちゃいました。

  • 幽玄の世界を彷徨っているような感覚を覚えます。歌舞伎の知識があればもっと楽しめたかも。

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