ミレーの生涯

  • 講談社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062093880

作品紹介・あらすじ

画家の親友が明かす巨匠の真実!ミレーファン必見の書。「種をまく人」「落穂拾い」「晩鐘」など、農民の生活や田園風景を愛情を込めて描いたミレー。美術界からの激しい攻撃や貧窮に耐え、自己の芸術を貫いた、求道者にも似た生涯を、親友が画家の多くの手紙を交えて証言する、ミレー伝の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • サンスィエとミレーの書簡、そして作品を中心に、ミレーの誕生から逝去までを著述。サンスィエのミレーに対する友情がなした未完の著。常にミレーを守る、という一点から出発している。感じることは多々あった。井出氏による、あまりに祭り上げられてしまったミレー伝に対する批判も分かる。ミレーの言葉をそのまま受け取ろうとも思わない。心に残ったのは、ミレーを残した、サンスィエという人物の存在だ。ソクラテスに対するプラトンと同じく、著された人物とその業績、思想の偉大さもさることながら、それらの最も良き部分を残した後継者の存在は歴史的に見れば、あまりに重要だ。僕は自分がもちろん偉人ではないし、また、偉人の足跡を残そうという気もさらさらない。しかし、工藤さんのような愛すべき人物の足跡やそれ以上に純粋な魂を声高らかかに伝えていきたい欲求は強い。

  • サンスィェはは本当にミレーという画家の存在を愛していた情熱が伝わる一冊
    これを読んで当時の派閥争いの片面が覗けて面白い
    そして、非常に主観的であるのを忘れない
    (芸術において絶対的客観性というのがありえるか微妙だが)

  • 既成秩序を嫌うミレー、喰うや喰わずで滅入るミレー、友人の評価に喜ぶミレー、無理解を嘲弄するミレー──なんて生々しい! おかしな転倒だが、これを読むとミレーの描いた当の絵すら色褪せてくるようだ。無二の信奉者であり理解者であったサンスィエの手によるミレーの生涯は、ミレーの描く田園風景そのままに柔らかく豊かな光に満ちている。それだけに、サンスィエ没後にマンツによって引き継がれてからの筆勢がトーンダウンしてしまっているのが無念。

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著者プロフィール

1815年-1877年。パリ生まれ。ルーヴル美術館の管理課長として第二共和政下の美術館行政を担当。政府の反動化で辞したのち内務省に移り、退職まで役人生活を送る。ミレーとは1847年に出会って以来、生涯の友情を築いた。

「2014年 『ミレーの生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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