- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062102612
感想・レビュー・書評
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16歳の女子高生、美有。学校にも友人にも、彼氏にも、どこか馴染めないものを感じていた。
周りにバリアを張り巡らせていた彼女が出会ったのは74歳の画家、伊左治。
あまりにも大きな年の差、それすらもやすやすと越えてくる老人に、時に苛立ち時に安らぎを覚える。
魅力を感じるのは確かだが、これはまさか恋愛感情なのか…?
孫ほど年の離れた女の子に対して、性的にあけすけな発言や行動が気になりました。
当時の自分だったら嫌悪感を持っただろうな〜。そもそも知らないおじいちゃんと仲良くなったり
ましてや一人で家に遊びに行くなんて、あり得ないかな。恋愛は若者だけのものではない、そういう部分には共感できるんですけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人が人と結びつくこと
「もっきり屋」の一人娘、美有は16才。ボーイフレンドの祐一とはオートバイに同乗してスピードを出すのが好きだ。祐一は美有とセックスしたいという思っているのだが、美有はそれが嫌だ。
ある日、店で印象的な老人、岩尾伊佐治に出会う。
伊佐治は画家だった。彼は、美有をデートに誘い、語り、様々な場所へ彼女を連れていく。
美有はだんだん、伊佐治に惹かれていくのだが、彼は74才、老人だ。男ではないという意識が常にある。
その後、美有は自分のことを「ミュウ」と呼んでくれる友人に久しぶりにあった。彼女は、いわゆる不良グループの中にいた。名前は理沙。妊娠しているという。9ヶ月で死産にするつもりらしい。
その彼女が消えた。それを教えてくれたのは同級生の安奈。彼女は、ずっとバレーをやっていて、美有と同じように群れをつくることを嫌っている。話をしてみると、「もっともっと語り合いたい」気持ちになった。
祐一がまたセックスを強制しようとして、ケンカになった。
ある日、アトリエで伊佐治から「蛸が女にからみついている」春画を見せられ、その生き生きとした吸盤から、それが伊佐治に見えてきた。
そして、伊佐治の愛人という綺麗な男と歩いている彼を見て、嫉妬する。アトリエの2階で2人は抱き合い、伊佐治は持病の心臓のため倒れてしまい、病院で死んでしまう。
ある日、美有がアトリエに行くと、伊佐治はすでにいなかった。しかし、彼女の心の中には伊佐治は生き続けていくのだった。
理沙は結局子どもを生むことになり、結婚するという。安奈もひとりではなくなった。
美有もいまはひとりではない。
作者は、1955年、札幌生まれ。「百合祭」は映画にもなっている。
彼女は、年寄りがいつまでも男であり女であり、人であることを物語る。この話の中でも16才の女と74才の男は、しっかりと結びついている。
2009-02-14 -
読後感は悪くはない。
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うーん、あまり引き込まれなくて久々に読むのに時間が掛かった。