狐闇

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062112505

作品紹介・あらすじ

幻のコレクションを巡り、暗躍する古美術商たち。贋作作りの疑いをかけられ、苦境に立つ旗師・陶子。一枚の鏡に隠された謎。

感想・レビュー・書評

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  • 蓮丈那智がサブキャラとしてゲスト出演。ビアバー香菜里屋も出て来てにやり。

    装幀 / 丸尾 靖子
    初出 / 「愛媛新聞」2000年10月25日~2001年7月4日、岩手日報・静岡新聞・新潟日報・岐阜新聞・南日本新聞・大分合同新聞・山口新聞等順次掲載改稿。

  • 幻のコレクションを巡り、暗躍する古美術商たち。
    贋作作りの疑いをかけられ、苦境に立たされる
    旗師・陶子。明治初期の堺県令・税所コレクションの
    存在も浮かび上がり…。一枚の鏡に隠された謎。

  • シリーズ二作目ですが蓮丈那智や香菜里屋と言った他作品の主人公も登場して豪華な顔ぶれでした。
    競り落とした青銅鏡の1枚がすり替わっていたことから明治期の闇に関わることになってしまう主人公とそれをサポートする周りの人々が書かれていました。
    かなりスケールが大きくなるので読み進むにつれて驚きの連続でした。

  • 冬狐堂シリーズの第1作目と間違えて読破。
    1作目を知らなくても十分に楽しめる内容で良かった。
    てっきり1作目で出てくると思っていた曰く付きの青銅鏡に関わる話だったので二重にビックリしました。

    なにはともあれ、本当に面白かった。
    ちょっと暗め(?)で真面目な冬狐堂のキャラクターがものすごく生きてる感じがします。
    蓮丈那智が出てくるところもまた嬉しいところ。

    話の中でちらりと出てきた贋作作家というのはあの人の事だろうなぁ・・・とか、他作品とのリンクはファンにとっては嬉しいものです。

  • 旗師・陶子シリーズの中でも、品もかなり手強く、歴史的に大きな意図を背負った作品。登場人物も著者の別作の人物も絡み…。古鏡の曰くは過去の出来事を知らなければ、面白みは半減する(別著)。 また、別の展開をみせる序章でもある。著者は、壮大な構想があったのだろうが故人となってしまい、惜しまれる。

  • 二枚の「海獣葡萄鏡」を競り落としたはずなのに一枚が「三角縁神獣鏡」に化けた・・・から始まるサスペンス。
    これシリーズ物の第二作だったのか。やっちまった

  • これ、第2弾なのか…。
    読む順番間違えました。

    北森先生は本当に様々なジャンルの本を書きますね。
    前回読んだ『親不孝通りシリーズ』とは打って変わってこちらは本格派ミステリー。
    内容もシリアスで奥深いものでした。
    全く先が読めないストーリーに胸がときめきました。
    このシリーズの他の本も読みたいと思います。

  • 「魔鏡」……か。
    幻のコレクションを巡り、暗躍する古美術商たち。贋作作りの疑いをかけられ、苦境に立つ旗師・陶子。1枚の鏡に隠された謎。

    「眼が開きやがったか」芦辺が無造作にいった。
    「……眼……ですか」
    「やれ古陶が専門だとか、浮世絵なら誰にも目利きは負けねえだとか、くちばしの青い連中が囀(さえず)っちゃあいるが、そんなものは正真の目利きでもなんでもねえ。この世界で本当に適用するのは、良い物と悪い物を見極める眼、ただそれ1つッきりしかねえのさ」――(本文より)

    ------------------------

    蓮丈那智フィールドファイル、裏京都ミステリー、桜宵と同じように短編連作かと思いきや、長編小説。
    その分、スケールがでかいし、謎が深い。

  • 再読。冬狐堂第2弾。一枚の青銅鏡が発端で壮大な歴史物語に。初読みの時は蓮丈先生も香菜里屋も知らなかったので、なんだか世界のリンクが楽しい。あとこれをきっかけに別の話し書いてますねずっしりと読んだ!という気分。。

  • 旗師・冬狐堂こと宇佐見陶子シリーズの2作目。(1作目は「狐罠」)
    ちなみに今作品、「凶笑面(双死神)」とのリンクありです。三國…裏で結構ひどいこと言われてるよアナタ…(笑)

    その闘いは1枚の鏡を手に入れたことから始まった。
    顧客からの依頼で海獣葡萄鏡を市で競り落とした陶子だが、2枚のうち1枚が別なものと摩り替わっていた。その鏡は「三角縁神獣鏡」。眺めているうちにその鏡に魅せられてしまった陶子は、顧客の依頼は1枚のみだったことから自分個人のものにしてしまう。
    しかしその後、見知らぬ人物から鏡についての電話があったり、競り市で妙な行動をしていた男・弓削昭之の死亡記事があったり、市の会主・高塚の行方が知れなかったりと不穏な気配が漂い始めた。本来の持ち主・弓削家の代理人を名乗る男たちから、例の鏡は盗品であると告げられ、陶子は渋々ながら返却するのだが、その際につい鏡が魔鏡であったことを口走ってしまった。
    鏡は手を離れた。しかし、何者かから罠にはめられ、飲酒運転の末の事故を仕組まれ、贋作詐欺の疑いをかけられ、骨董業者としての権利も剥奪される…。
    2人の人間の命、そして陶子の生き方を消そうとしてまで守られる鏡の謎とは何なのか。死者からの手紙、そこから浮かび上がった税所コレクションとは何であったのか。
    親友でカメラマンの横尾硝子、古代技術研究家の滝隆一郎、民族学者の蓮丈那智、骨董業者・雅蘭堂の越名集治、と強力な協力者が集まり、陶子は謎への、罠に対しての闘いを挑む。

    前作よりも更にスケールが大きくなった骨董ミステリ長編です。
    なんだかすごく美味しい…!他作品の主人公をも引っ張り出され、FANにとってはおいしすぎる作品じゃないでしょうか。私は雅蘭堂シリーズは未読なのでなんとも言えませんが、既読の蓮丈那智シリーズの彼女と違和感が全然ありませんでした。別作品の主人公同士を同じラインに立たせると、どうしてもどちらかに歪みが出易いと思うんですが、その辺りは全然感じません。むしろ那智と陶子のコンビでもっと読んでみたい!と思わせる。北森先生、ニクイ人だ…v
    とはいえ、あくまでも主人公は陶子です。那智らは協力者であっても実際に立ち向かうのは彼女だけ。前作よりは腹が据わった…というかふてぶてしく、強くしたたかになった女狐の姿は、ハラハラしつつも胃が痛くなるような感覚は無くなったように思います。決してひとりでの闘いではないからもあるのでしょうけど、前作「狐罠」から経った3年という月日を感じますね。謎も罠も大きくなっているというのに…頼もしい限りです。こうしてそのうち「深淵のガランス」の彼女になっていくんですね…。

     今回も、毎度のように三軒茶屋の例のビア・バーは登場していますv 料理の描写が出なかったことが少し残念…。 

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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