鎮火報: Fire’s Out

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 173
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062117296

感想・レビュー・書評

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  • 消防士シリーズの1作目です。昔読んだんですが、すごく面白かった記憶があって。でも20年前の本なので書店で手に入れられず。図書館で借りました。記憶通りに面白かったです。460ページ程ありますが、あっという間に読みました。消防士の仕事や志が良くわかります。普段はなかなか関わらない消防士さん。私は数年前の雷雨の時に、落雷と同時に住んでいたマンションの火災報知器が鳴りまして。煙とかはなかったんですが、一応消防にかけたらでっかい消防車が来てくれました。みなさん、テキパキされててめちゃかっこよかったです。
    主人公の雄大、ダチの裕二、引きこもりだけどイケおじの守、2枚目の仁藤さんなど、出てくる人達も魅力的です。早く続きを読まなくては。
    鎮火報って火災出動した後に、消火しましたよーとお知らせするカンカン〜という音みたいですね。色々勉強になりました。

  • 燃え盛る炎より熱い男たち!
    消防士のくせに熱すぎるこの男たちが、たまりません♪

    『ロード&ゴー』で元暴走族のヘッドという過去を存分に生かして
    救急車を華麗に疾走させていた生田が
    消防車のドライバーとして主役を支える作品がありますよ、と
    親切なブクログ仲間さんに教えていただいて、
    図書館から届くのをわくわくしながら待っていました。

    あの破天荒な生田をアニキと慕っていることからも窺い知れるように
    高校時代は「ヤ」のつく稼業のお偉いさんからスカウトされるほど暴れまくり
    売り言葉に買い言葉の末、消防士になってしまった雄大。

    職務に忠実な余り、無駄死にと思えるような死を遂げた父への反感から
    現場での危険極まりない勤務から、出来るだけ速やかに
    9時5時の平和で穏やかな事務仕事に異動することだけを目標に生きていた彼が
    不法在留外国人が住む木造アパートの不審な火災をきっかけに
    「行き過ぎた正義」に身を焦がす入国管理官や先輩の真実に触れ
    生田をはじめ、口は悪くとも頼りになる仲間に見守られて
    「消防士なんてやめてやる!」のひと言が、ついに言えなくなるまでが描かれます。

    『ロード&ゴー』で、仲間でなければ笑顔とは到底認知できない
    口元をひきつらせるだけの笑顔も凛々しく、高速走行中の救急車に
    並走する消防車から命がけの給油をやり遂げた星野の活躍は見られるし

    雄大のコンプレックスをチクチク刺激するレスキューサイボーグ仁藤、
    年齢不詳ながら田村正和張りのアンニュイさを漂わせる漆黒の王子 守、
    小学生の頃から母と自分ふたり分の辛さを抱える決意をし、飄々と生きる裕二など
    脳内キャスティングの誘惑に抗うこともできないくらい個性的な面々に心躍って

    現場に駆けつける消防車並みのスピードで
    彼らと共に460ページを駆け抜けてしまう1冊です。

    • しをん。さん
      まろんさんの手元にも、雄大が行きましたか!!
      この本も、ホント面白いですよね♪
      雄大の成長ぶりが少しずつ、垣間見れてうれしくなっちゃいます☆...
      まろんさんの手元にも、雄大が行きましたか!!
      この本も、ホント面白いですよね♪
      雄大の成長ぶりが少しずつ、垣間見れてうれしくなっちゃいます☆

      この本を読んで、色々考えさせられることもあり、このシリーズは為になります。。
      2012/10/31
    • まろんさん
      雄大、来ました来ました!
      勤務外なんだよーとか言いながら、自らどんどん巻きこまれていく感じが可愛くて(笑)

      並走給油を鮮やかにこなした星野...
      雄大、来ました来ました!
      勤務外なんだよーとか言いながら、自らどんどん巻きこまれていく感じが可愛くて(笑)

      並走給油を鮮やかにこなした星野☆に、あんな過去があったのかと思うと
      なおさらかっこよく見えてしまいますね♪

      必死で火を消している、その水の料金がしっかり消防署に請求されるとか
      なるべく火災が起こらないほうがいいに決まってるのに
      通報がなくて署内にいると、お偉いさんにヒマだと思われて
      予算を削られ、人員削減→人手不足の悪循環に突入するとか
      予想だにしない消防の現実に驚いて
      思わず娘に消防士さんの大変さを熱く語ってしまいました。
      続きもはりきって読まなくちゃ(*'-')フフ♪
      2012/11/01
  • 432ページ
    1200円
    8月26日〜8月29日

    消防士になりたくてなったわけではないと言い切る二十歳の大山雄大のもとへ飛び込んだ、外国人アパートを襲う連続放火事件。面倒なことは嫌いだけど、生来の反骨精神と真面目さが災いして、火災の原因究明に不本意ながらも奔走する雄大。事件
    の真相に迫るうち、自らが選んだ道の正義と誇りに気づき始める。

    読んでも読んでも進まない感じで、始めはきつかった。文体が宮部みゆきさんのドリームバスターを思い出させるものだった。読んでいくうちにストーリーに引き込まれていったけれど、犯人がいい人の小坂であることが悲しかった。

  • この日明 恩 さんのシリーズの一作目。
    順番は、見事に逆から読んでいったが…。(ロードアンドゴーから埋み火・鎮火報と。)

    今回は、外国人の不法滞在の問題。


    都内外国人アパートの連続火災は放火か!?
    「楽して、ガッチリ給料もらいたい」
    今どき消防士雄大が、隠しもっていた熱い消防魂を爆発させる。
    「それでも、警官は微笑う」の日明恩の描く熱い切ないドラマ。
    (「MARC」データベースより)


    初めは、同様不審な火事から始まっていく…。
    そして、どんどんネタばらし。

    順番を逆に読んでもそこまで支障は出ないが、前より面白かった。

    雄大を取り囲む友人たち。
    水母(クラゲ)のようになくなりたい守にガキからの友達に消防仲間。


    最後にいくにつれて、消防のありがたさがしみじみと出てきている。

    しかし、つくづく大変な仕事だなあ…。
    消防についてここまで詳しく書かれているのも驚きだが(^^)v

    • まろんさん
      雄大くんって、『ロード&ゴー』のラストの救急車&消防車大爆走のシーンで
      消防車出動のために、高速での事故を(装って)通報したとかで
      1行だけ...
      雄大くんって、『ロード&ゴー』のラストの救急車&消防車大爆走のシーンで
      消防車出動のために、高速での事故を(装って)通報したとかで
      1行だけ出てきた男の子でしょうか?!
      図書館に『ロード&ゴー』を返却してしまったので確かめようがないのですが。。。
      とにかく、このシリーズも早く読みたくてたまりません♪
      2012/10/13
    • しをん。さん
      すみません!私も、もう本を返してしまって手元にないのですが…。
      うる覚えですが、確かそうだった気がします♪

      この、日明恩さんの作品は、疾走...
      すみません!私も、もう本を返してしまって手元にないのですが…。
      うる覚えですが、確かそうだった気がします♪

      この、日明恩さんの作品は、疾走感があって凄く好きです(●^o^●)
      少し、有川さんと似てるかな…と。
      2012/10/13
  • ああ、この本なんか好きだ。雄大、仁藤、裕二、守、小坂、星野…魅力的なキャラクターとそれぞれのエピソードに(皆、つらい過去が多すぎる)胸が痛くなる。でも、心温まる良いストーリーだった。特に、レスキューサイボーグ仁藤要さん、あんたにやられた~!

  • 『たちもりめぐみ』さん
    最初、読めなかったゎ

    「鎮火報」・・・私どうしてもこの本が読みたくて本屋さんを探したのですがありませんでした。
    んで、いつもお世話になってる図書館様に行った訳です。
    このお話、消防士さんのお話で主人公の雄大クンの語りで進んでいきます。
    すごく爽やかで、最初くすぐったい気持ちでしたが面白かったです。
    かっこいい!
    こんな人そばにいたらなぁ・・・←いつもコレばかり思う。
    消防士さん、いつもありがとうございます。

  • 日明恩の新刊「ロード&ゴー」が、鎮火報のシリーズということなので、予習をかねて再読。

    人を救い、人の人生の一端に影響をあたえる。
    他の人の生死とか、生き方とか、そういうことに関わることの責任をどうはたすか。
    そもそも、そこに責任は発生するのか。
    人の人生を左右する可能性のある職業であることを、つい真剣に考えてしまう主人公はすごい。

    私の仕事だって、人の人生を左右するもの。
    子どものころの経験を、31歳になっても引きずってる仁藤要のような人はいっぱいいると思う。
    自分の仕事の重大さを、もう一度かみしめることができた。

    重いテーマをいくつも扱っているというのに、読後感は軽やか。
    なんとなく有川浩を思わせる軽快な文章で(いや、有川浩の方が後から出てきたけど)、主人公は語るけど説教くさくなくて、軽妙で楽しい。
    登場人物も個性豊かで、本当に日明恩、いいなぁ・・・

  • あ、鬼瓦がちょっとでてきた。ちょっと嬉しい。

  • 『ロード&ゴー』を先に読んでの本作。消防士であった父親が殉職し、その自己犠牲の生き様に反発しつつも自らも消防士として働く雄大。ヤンキー語りがちょっと鼻に付いたが、意外と知らなかった消防士の日常や気をつけていること(煙草のパッケージの開け方にはなるほど!)や、同じ署に勤める隊員たちとの交流など楽しめた。裕二、仁藤など周囲の人々が背負っている人生はかなり重いが、それが雄大をこれからも突き動かしていくのだろう。ところで守の「あの人」っていうのは誰なんだろう。続編ではっきりするのかな?

  • 順番とは逆に埋め火を先に読んでしまったが、守の人物像もつかめたし最後は心がほっこりして楽しめた。ただ人物説明や消防の説明が丁寧で分かりやすいんだけど、2作目と内容がかぶる話が多いのがまたかと思った。

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