八丁堀喰い物草紙 江戸前でもなし

著者 :
  • 講談社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124843

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれて手にとりました。
    そしたら…。うん、以前も同じように手に取った本!
    再読ですが、面白かった。
    ふと出てくる料理の美味しそうなこと。
    また江戸の人情あふれるお話でした。

  • 煮炊きの煙は、人の心を暖める。夫との心の行き違いは、食い道楽で心優しい舅(しゅうと)に、いつも扶(たす)けられる。「のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ」喰い物覚え帖に映し出された心模様。蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い黄身返し卵。はかない色と味の淡雪豆腐。別れは水雑炊。走りの食べ物としても乙な心太(ところてん)。1個ずつしかできない卵のふわふわ。「無用の用でございますよ」のちょろぎ。
    (2004年)
    — 目次 —
    秘伝 黄身返し卵
    美艶 淡雪豆腐
    酔余 水雑炊
    涼味 心太
    安堵 卵のふわふわ
    珍味 ちょろぎ

  • 「冬馬さん。冬馬さん。」

  • 6編の連作短編集。
    夫との心のすれ違いに悩むのぶ。そんなのぶを食べ物を通して慰める舅・忠右衛門。
    夫・正一郎のツンぶりが半端ない。これはツライ。姑と舅の優しさが物語全体を通して漂っていて、のぶの心の支えになっている様子がすごく伝わってくる。
    最後、寂しさは消えないけど、温かな気持ちで読み終えられた。

  •  北町奉行所、臨時廻り同心の椙田忠右衛兵門の長男で、隠密廻りの同心正一郎へ嫁いだのぶの心細く侘しい様子が、綴られていました。
     ちょっと風変わりな舅とのやり取りがとても心温かくて、そして各章に出てくる料理も豪華料理というわけでは無いのに、なんともおいしそうで食べたくなりました。
     偏食ののぶがそれを恐る恐る食べるのですが、その様子が可愛い。
     そして、偏食が少しずつ変わっていきます。でも、なんと言っても心寄せる人と一緒に食べる料理が一番。
     「卵のふわふわ」は格別においしそう、味わってみたいです。

     同じものを一緒に「おいしい」と食べられる事は、幸せへの第一歩だと思いました。
     悲しい出来事も起こったけれど、とても心穏やかに読み終えられたやさしい物語でした。

  • 北町奉行所の同心、椙田家の家族の物語。
    我儘で威張っていて現代だったら、DVだと言われかねない行動を重ねる正一郎とぼんやりでひどい偏食持ちの妻のぶ。
    二人を優しく見守る姑のふでと舅の忠右衛門。
    この忠右衛門がかなり変わった人で、すごい頭脳の持ち主だけど、剣の腕はからきし駄目。一年ほど行方不明になったが、ある日ひょっこり帰ってきたなどの逸話の持ち主。そしてかなりの食い道楽。忠右衛門が語る食べ物のうんちくはとても面白かった。
    ただラストはあまり好きではないかなぁ。

  • ハゲシク食道楽本かと思ったけど,そうでもなかった.
    でも,たまにはこういうのもいいかな.
    卵のふわふわ,今度作ってみまっす!

  • 再読です。
    宇江佐さんは食べることが好きな方だと思う。うん。

  • 舞台は江戸時代。
    食いしん坊のお舅 忠右衛門と、好き嫌いの多い嫁、のぶを中心とした
    じーんと来る連絡短編集。

    一話ごとに出てくるお料理が美味しそうで、自分でも作ってみようかなと
    思ってしまいました。

  • 食いしん坊の舅と好き嫌いが多い嫁の
    やさしくせつない人情話。

    各章ごとの料理が
    ちょっと真似して作ってみたくなるくらい
    おいしそうです。

    水雑炊が食べてみたい‥‥‥‥

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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