猫にかまけて

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062126748

感想・レビュー・書評

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  • 猫にかまけていたいです。寝ている猫の姿を見ているだけで幸せな気持ちになれる、癒されます^^。
    町田さんから猫好き、好き、好きー!という気持ちが、とてもよく伝わってきました。ココア、ゲンゾー、ヘッケ、ナナ。ヘッケは短い生涯でしたが、それでも懸命に生きたと思います。そしてヘッケを見守り看病した町田夫妻、愛情がある分、つらかったでしょうね。ペットとして可愛がるということは、その命に対しても責任があるのだと改めて思いました。最期まで責任を持つ覚悟をすること。可愛いだけでは済まない現実があります。
    この本、とても良かったです^^

  • ねこに似てる。ねこって呼ばれてる。
    そしてねこがすきだ。
    マンションもねこOKのところに住んでる。

    なのにねこ、諸処の事情で飼っていない。
    あと一年したら、飼いたいなあ…。
    マンチカン…アメショ…ううん、自分ちのねこは
    きっとどんなにゃーこよりも可愛いだろうなあ。

    ねこ動画ガッツリ見ながら毎日そんなこと思う私。
    ブクログのこの本のレビューに惹かれて手にとった。

    果たせるかな。大当たり。
    かわいいだけじゃなく、ねこたちが空に還ることも
    しっかり綴られてて、愛がいっぱいで…。
    せつないけど、命のある家族としてのにゃーこと
    暮らす限り、ここまで出来るだろうか…しないなら
    飼っちゃダメよね…とか思う。

    でもこの本の魅力って、ねこの描写と町田さんの
    こころの描写が、ねこがすきだ!ってことに全編
    溢れていること。

    ねこのほうが人間より実は偉かったりしちゃう
    目線もいい。ほどのいい情けなさも。
    人間が普段、しようもなくも大事に思うことより
    にゃーことの暮らしの方が大事って気付かされたり。

    これ、他にも応用されることだろうけどね。

    それと。

    特に関西出身東京住みの私としては、
    その語り口が絶妙。
    こういうしゃべり方のねこ好きおるなぁと思う。
    夏目漱石とか芥川お好きかなと思う文体もナイス。

    悲しいこともあるけれど、それ以上に喜びの大きい
    ねこぐらし。本を閉じたら絶対ねこと遊びたくなる。
    続編も速攻借りてきました。はい。

  • 町田康の猫語訳が素晴らしい。でも、よく考えたら日常的にそんな言葉を浴びてることに気が付いた。嫁だ。彼女はしっかり日本語でココアのような言葉を話す。居眠りしやすいように香箱を作り、とにかく散らかす。掃除や整理整頓をすれば、叱られあっという間に元通りにしてしまう。ネコパンチはないけど言葉や目付きはココアそのものだ。あれはやっぱり猫が話すから良いのであって、人が同様のことを話す凶悪さは厳しい。

  • 2015/05/09 読了

    4月の終わりうちの猫のおなかにしこりが見つかり予想して覚悟していたがやはり乳腺腫瘍だった。手術しないで最期まで目を背けず見守ることを決意したけど終わりのことを想像すると怖くて仕方がなく涙が出てくる。
    うちの6頭の猫は全員シニアに突入していてヘッケとココアと死は近い未来であり何度も涙で読むのを中断した。
    愛すべき猫と暮らしている方達に是非読んで欲しい。

  • 生き物を愛するとはどんなことか考えさせられる。猫が好きな人は世にたくさんいるだろうが、心から責任を引き受け愛している人はそのうちのどれだけだろうか。
    飼い猫との心の通い合いの表現が面白く引き込まれるが、それだけではない。何気ない日常の一コマと、命の終わりの壮絶さの対比がこの本を強烈に彩る。ただの猫好きが書くぬるい本とは一線を画している。

  • パンク歌手にして作家・町田康さんのエッセイ。
    個性豊かすぎる4頭の猫たちに翻弄される町田さんの日常です。
    ゲンゾーの犬疑惑、猿疑惑のくだりは爆笑。
    齢20歳の古参猫・ココア姐さんが良い味だしてます。
    他にも、儚げな拾い猫・ヘッケや、
    神仏にすら喧嘩を売る気の強いお嬢・奈奈が登場します。

    共に暮らした猫たちを看取る場面は辛いですが、
    楽しいだけでない、猫と生きる日々が丁寧に描かれている素晴らしい作品です。

  • 猫好きならとてもよくわかる内容。
    平成12〜14年「猫の手帖」、14〜16年「フラウ」連載した物。
    愛猫写真も多数、うちにもいるような普通の猫たちが可愛い。
    気の強い女王様タイプの長寿猫ココアに、朝っぱらから「馬鹿じゃないの」と叱られる作者がおかしい。
    弟分のゲンゾーは、ご飯を食べるときには卑屈なのだが、なぜか寝場所には独占欲が強く、姉様のココアを追い出す。
    いろんな個性があるもんですね〜。
    身体の弱った子猫が足下によろよろとやってきたのを拾い、病気があるので仕事場で飼ういきさつ。
    身体の弱い子猫ヘッケの無邪気さ、闘病と後悔。その後生まれ変わりのようにそっくりな猫を拾い、奈奈と名付け…
    泣けます。
    作者は62年大阪府生まれ。96年「くっすん大黒」でデビュー、2000年「きれぎれ」で芥川賞。

  • 町田さんの猫への愛がストレートに伝わる一冊。
    文体がとにかく面白くニヤニヤしてしまう。
    猫ちゃんの具合が悪くなる描写は、やはり辛くて読んでいてキツいけれど、町田さんの正直な想いも伝わる。
    単に猫好きなだけでなく、愛情たっぷりお世話をする姿は猫好きの鏡だと思う。
    何度読んでも楽しめる一冊。

  • 猫と生活すると、文字通り猫にかまけてしまう。そうしている今も、ほおっておけない。愛しい。

    泣けます、泣きました。

  • そうそう、ペットを飼う、というよりも一緒に暮らしているという感覚。うちにはカメが8頭います。
    大爆笑しながら読みました。

著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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