なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか

  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062133210

作品紹介・あらすじ

子ども時代の長く、けだるい夏はどこへいってしまったのだろう?年をとるにつれて、なぜ時間はスピードを上げ、私たちから逃げていくように思えるのだろう?老年になると、なぜ遠い昔の出来事がまるで昨日のことのように、鮮やかに蘇ってくるのだろう?既視感"デジャ・ヴュ"、臨死体験、サヴァンの驚くべき記憶力、極度のトラウマが記憶想起に与える影響など、記憶にまつわる不思議な現象を解き明かした。脳科学を超えた記憶にまつわる知の冒険。

感想・レビュー・書評

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  • 「記憶は、気に入ったところに寝そべる犬みたいなものだ」
    暗闇のなかの閃光―いちばん古い記憶
    匂いと記憶
    昨日の記録
    心のなかのフラッシュバルブ
    「なぜ私たちは、逆方向にではなく順方向に思い出すのか」
    フネスとシェレシェフスキーの絶対的記憶力
    障害の利点―サヴァン症候群
    チェッカー名人の記憶力―トン・サイブラントとの対話
    トラウマと記憶―デムヤンユクの場合
    ワグナー夫妻―四五年間の結婚生活
    「楕円形の鏡のなかを私たちへドライブする」―既視感体験について
    回顧録
    なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか
    忘却
    私は自分の人生が目の前にぱっと現れるのを見た」
    記憶から―「静物と肖像」

  • 本書では・なぜ人は1歳までの記憶を持っていないのか?・なぜ、匂いの記憶は鮮烈なのか?・サバンの記憶方法は?・なぜ、年を取ると時間が経つのが速くなるのか?といった、記憶に関する良くある疑問に解を与えようとしている。が、実際には何一つ確定的結論は無く、欲求不満が残る。

  • 図書館
    挫折

  • ①加速する理由は?
    ・加齢とともに記憶の中身が単調だから
    ・若いころは新しい経験が多く、理解力が活発で、記憶もしっかりしている

    ②気づき
    ・幼児期健忘は、未成熟な神経が原因と考えられてきたが、実際には、子供は非常に早くから多くのことを覚えられる(ハードではなく、ソフトの解放)
    ・生後18か月の私を認識する
    ・熱があるときは時間がゆっくり経過すると感じる
    ・4℃の海で泳ぐと時間が速く経過すると感じる

  • [ 内容 ]
    子ども時代の長く、けだるい夏はどこへいってしまったのだろう?
    年をとるにつれて、なぜ時間はスピードを上げ、私たちから逃げていくように思えるのだろう?
    老年になると、なぜ遠い昔の出来事がまるで昨日のことのように、鮮やかに蘇ってくるのだろう?
    既視感“デジャ・ヴュ”、臨死体験、サヴァンの驚くべき記憶力、極度のトラウマが記憶想起に与える影響など、記憶にまつわる不思議な現象を解き明かした。
    脳科学を超えた記憶にまつわる知の冒険。

    [ 目次 ]
    「記憶は、気に入ったところに寝そべる犬みたいなものだ」
    暗闇のなかの閃光―いちばん古い記憶
    匂いと記憶
    昨日の記録
    心のなかのフラッシュバルブ
    「なぜ私たちは、逆方向にではなく順方向に思い出すのか」
    フネスとシェレシェフスキーの絶対的記憶力
    障害の利点―サヴァン症候群
    チェッカー名人の記憶力―トン・サイブラントとの対話
    トラウマと記憶―デムヤンユクの場合
    ワグナー夫妻―四五年間の結婚生活
    「楕円形の鏡のなかを私たちへドライブする」―既視感体験について
    回顧録
    なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか
    忘却
    私は自分の人生が目の前にぱっと現れるのを見た」
    記憶から―「静物と肖像」
    なぜ人は1歳までの記憶がないのか?
    匂いの記憶はなぜ鮮烈なのか?
    屈辱的な出来事の記憶はなぜ鮮明で、顔を赤らめる自分の姿まで見えるのか?
    サヴァンはどのように記憶するのか?
    脳科学を超えた記憶にまつわる知の冒険!!

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 気づけば夏もあっという間に過ぎてしまいましたね。年々時が経つのが速くなる気がします。どうしてかなあ。
    ・・・と思っていたら,ぴったりの本を見つけました!タイトルはずばり「なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか」。
    記憶についての心理学の学術書なのですが,タイトルが示すとおり,なんだかこころ惹かれるテーマについて書かれています。
    たとえば,
    「特殊な記憶能力をもつ人々(サヴァン症候群やチェッカー名人など)」
    「トラウマと記憶」
    「年を取ると若いころのことばかり覚えているのは何故か」
    「既視感体験(デジャブ)」
    「臨死体験」
    などです。

    この本の面白いところは,心理学の最新の研究データを示すのみでなく,人間が人間の記憶について「心に感じて」記録に残してきたこと,つまり小説や映画や絵画をテーマの口火としてとりあげて論じているところです。
    学生のころ,文学の先生に言われたことがあります。
    「人間の心は心理学ではわからない。文学ですよ。」

    この本の著者ダウエ・ドラーイスマは,それを地でいっています。そして,それらの記録が,心理学の実験や脳生理学でどのように説明できるのかが説明されるので,感覚的にも,論理的にも納得ができるようになります。
    また,各章の最後にはいつも,そのテーマに沿った文学的な一文が用意されていて,単なる学術書ではなく格調高い文学を読んだような気分を味わうことも出来ます。
    それにしてもこの人の守備範囲の広いこと!人間の心について追求するならそこまでカバーしなくてはいけないのね・・・。

    ダウエ・ドラーイスマはオランダの心理学史の教授です。心理学「史」というだけあって,その実験や調査のデータは,最近のものだけではなく,1800年代のものがざらにでてきます。
    このように研究の流れを追うことで,人間の記憶について,心理学や脳生理学の研究はどこまで説明可能になったのか,そして説明できていない部分は何かがよく理解できます。

    心理学の専門書ですので読むのはかなり骨が折れますが,心理学がいかに「人間」について考えている学問であるかを感じさせてくれる良書だと思います。
    それにしても,読んでいるうちに前に書いてあったことを忘れてしまって,中々読みすすめられない・・・。
    「なぜ年をとると今読んだばかりのことを忘れるのか」。次のテーマはこれだな。


    http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=209004057

  • 心理学や脳科学などの多くの関連一般科学書と内容は大差ないが、使われている資料や切り口が珍しく、このての本に読み慣れている読者層にも新しい発見がありそう。
    回想隆起、レミニセンス効果などの図表は初めて見た。

  • 好きなタイプの本。良書。タイトルは内容のホンの一部。記憶と心理を巡る科学史、として面白く読めた。本書であげられるその他の疑問は、
    ・死ぬ前にみる走馬灯のイメージとは一体なんなのか?
    ・デジャヴは何故おこるのか?
    ・カレンダー計算者はどのように曜日を言い当てているのか?
    ・子供の頃から青年期の記憶はなぜ鮮明なのか?
    ・完全な記憶力とはどのようなものなのか?
    特に「完全な記憶」に関するボルヘスの創作と実在した頭脳との類似は非常に示唆に富む。
    ちなみにタイトルの問いに対する答えは、「10歳の1年は人生の10分の1だが、70歳の1年は70分の1」という良く耳にする俗説は誤りだとされている。答えはいくつかあるが、体内時計が年齢とともに変化すること、若年期には印象に残る「初体験エピソード」が多く、そのため記憶の目印が多いが、年とともにそうした体験=記憶の目印が減り、単調な生活となって「後から思い出すと速く過ぎる」印象を与える。目配りのいいことに、「今週はあっというまだった」=「1年は意外と長かった」(その逆も可)という関係は本書の中でも指摘されている。

  • No.535
    心理学は奥が深い。時間の捉え方にも、心は大きく影響する。
    エビングハウスの忘却曲線の解説があった。
    サヴァン症候群の解説が分かり易かた。例えば写真のような風景画を描くひと。正確な輪郭を記憶だけで鉛筆一本で表現することはできるが、その絵に柔らかさとか表現力を広げることはできない。人の顔は覚えられないという。それは変化に富むから。連続性を認知できないため、個人を特定できない。

  • タイトルにひかれて手にした本。
    確かに年々、日が経つのが早く感じます。
    ただ…この本はちょっと専門的すぎて読みにくかったです。
    思っていた内容と違ったので少し残念でした(>_<)

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