未完成の友情

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  • 講談社 (2006年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062136341

みんなの感想まとめ

「生きていく」というテーマが深く掘り下げられ、友情の本質に迫る作品です。死という避けられない現実と向き合うことで、登場人物たちはそれぞれの感情や思いを抱えながら日常を生きていく様子が描かれています。完...

感想・レビュー・書評

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  •  「生きていく」ってことは、「死」から遠く離れた所に居続けること。
     それでも「死」は必ずやってくる。自分の「死」に限ったことじゃない。身内の「死」、見知らぬ誰かの「死」、直接的であれ間接的であれ、立ち合う機会が増えて行くのが「生きていく」ということではあるまいか。
     そこに浮かぶのは悲しみや憎しみ、あるいは特別な感情が浮かばないことだってあると思う。肉親や親友、あるいは名前だけは知ってる著名人の「死」に対する態度は、それぞれ違う。それでも、そこに立ち合い「生きていく」ことを余儀なくさせられた者は、何がしかの経験を積んでいく。その積み重ねれた重みに耐えていくしかないのが「生きていく」ということではあるまいか。

     『未完成の友情』-完成された友情、っていったい何だろう。そんなものがあるのだろうか。
     何でもオープンに話し合えたり、いつも仲良しだったり、何かあったときは助け合ったり、会えば楽しい時間が過ごせたりする人間関係……それが完成された友情?そんなものがあるのだろうか。それが完成を意味するのだろうか。
     お互いに秘密を抱え、恨み羨み憎しみも抱え、助けの手を差し出す手間も惜しみ、特に楽しくもない時間を過ごす人間関係……そういうものをお互いに引き摺りながら「生きていく」日常が、片方の「死」によって均衡が崩れてしまう状態。その崩れた瓦礫を心のなかに溜めて積み重ねていくのが、真の「生きていく」ということなのかもしれない。
     決して完成することのない、バラバラになった人間関係の落ち着き先、収まり先を探し切れずに溢れ出す感情を描いたラストシーンが、読者に「生きていく」という重さを感じさせてくれる。

  • どうもアヤシイ観点から見てしまう僕ですが(笑)イソギンチャク・・・あの辺にインパクトが・・(待て)。時代がころころ変わってちょっと読みづらかったけど、友情っていうのを実感させられます。面白かったです。

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著者プロフィール

佐藤洋二郎(さとう ようじろう)
1949年福岡県生まれ。中央大学卒。作家。元日本大学芸術学部教授。放浪癖があり全国の神社・離島巡りを趣味とし、神社は数千社、離島は百数十島を歩く。著書に『沈黙の神々Ⅰ・Ⅱ』(松柏社)、『間違いだらけの日本古代史』(経営科学出版)、『日本史の嘘』(WAC BUNKO)などがあり、作品集に『Y字橋』『夜を抱く』(鳥影社)、『未完成の友情』『福猫小判夏まつり』(講談社)、『神名火』『妻籠め』(小学館)などがある。『夏至祭』で野間文芸新人賞、『岬の蛍』で芸術選奨新人賞、『イギリス山』で木山捷平文学賞。

「2026年 『私小説を歩く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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