砂の肖像

著者 :
  • 講談社
3.29
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本棚登録 : 19
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062139373

作品紹介・あらすじ

「石に映る影」-石の愛称は「ニコ」メノウの原石だ。いつも黒い服を着ていた謎の女K、そして、Kから聞いたニコのこと。「ジョン・シルバーの碑」-母は「パチンコ玉みたいなやつ」が居座ったままの右足のふくらはぎをごっそりと削る手術を受けた。難病に冒された母の病魔との闘い。「小さな湾の青い王」-私が最後に女だったとき。私は男の下で石のようにじっとしていたのではなかったか。海は女をより女にし、不思議な出会いをもたらす。「フードコートで会いましょう」-お腹にはビー玉が入っていてときどき由加さんは無意識に人形のお腹をさすっている。死と狂気はフードコートで交錯する。「砂の肖像」-ピンクのスター・ルビーとブルーのスター・サファイア。深々と赤く、深々と青い二つの宝石。M氏から送られてくる数々の美しい宝石。そこから見える一人の男の人生。言葉が輝き出す宝石のような短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 珠玉の短編集。あなたに宝石を贈ります。

    帯に書かれた言葉を見たとき、何だかありきたりの売らんかな言葉だなあと思った。

    読み終わって「あなたに宝石を…」の意味はもとより、本当に透き通った鉱物の美しさが詰まっていたと思う。
    途中、何度もため息が漏れた。息をつめて読んでいたのだろう。

    15年一緒に暮らした大切な猫をおくった時、出会った作家だった。この人は解ってくれると思った。
    もっとたくさんの作品を書いてほしかったけど、今、向こうの世界で、青白い大きな蟹やM氏と笑いあっていればいいなと思う。

  • 静謐な文体。砂のように、石のように、心の奥深く沈んで、取り出そうと思った時にしっかりとした手応えを感じさせるような……。

    略歴を読んだら『午後の蜜箱』の作者でもあった。さらーっと読んで忘れていた。

    「砂の肖像」が良かった。「掲示板」で知り合い手紙でつながる、会ったことのない人との濃密な関係。ミクシイ仲間とのレビューつながりとだぶって共感するところが多かった。


    作成日時 2007年06月02日 09:46

  • これはなんか私には合いませんでした。

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著者プロフィール

1950年、愛知県生まれ。作家。著書『エンドレス・ワルツ』『琥珀の町』『抱かれる』(いずれも河出書房新社)、『ホテル・ザンビア』(作品社)ほか。

「1994年 『自殺者たち 一日一死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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