中原の虹 第三巻

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 591
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062140713

作品紹介・あらすじ

相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満洲では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき-。龍玉を握る張作霖は乱世を突き進み、新しい時代が、強き者の手で拓かれる。

感想・レビュー・書評

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  • 第三巻は西太后と光緒帝死去後の清朝の混乱が描かれます。その混乱に乗じて袁世凱が再び清朝の実権を握ります。
    一方で満州に関しては張作霖がほぼ手中に収め、万里の長城を越えるところまで迫ります。
    他のレビュアーさんも書かれていますが、西太后亡き後の物語になんとなく華やかさというか、色彩が欠けた気がしちゃいますが、それでも張作霖が魅力的。ラストの第四巻に向けての助走段階に入りました。クライマックスが楽しみです♪
    オススメ!

  • 物語が進むにつれ、先が気になる展開。面白い。
    西太后が亡くなった後ということで、春雲の登場が少ないのが残念。

  • 清朝、中華民国、満州、諸外国の圧力・・・なんだか複雑になってきて読んでいて頭の中が混乱したけれど、まさにそんな時代だったのだろうと感じました。

  • 「蒼穹の昴」第三部。辛亥革命、清朝滅亡。
    王永江が張作霖の参謀に、宣統帝の退位、袁世凱が大統領になるまで。
    清朝の最後と中華民国政府、東三省の軍事化の三つ巴で話が進む。清王朝の終焉と民国政府の誕生は、西太后が死に臨んで描いたシナリオ(諸外国に蹂躙されるのではなく、中華人民による新政権が生まれる)通りか?
    東三省は張作霖の「服う者は敬して迎え、服わざる者は粛清す」のもと、統一を進める。特に桃源郷の村にいた陸大傑の件は涙を誘う。正義とは。ただし、吉永の手記によれば
    ★夕闇ニ沈ミ行ク其ノ姿ニ、余ハ聖者ヲ見タリ。
    ★彼ハ貧ト困ヲ知ル。故ニ敬サレズ愛サレル者、即チ勇者ニ非ズ聖者ナリ。
    とあるため、これが正義と言わざるを得ないものなのかもしれない。

    印象的なフレーズは下記。
    ◆おのれを亡国の鬼女としなければ憎しみは生まれない。憎しみを抱かなければ革命は成功しない。そして速やかに完全に革命が成功しなければ、この国はインドになる。
    ★目的のない人生はいいものだ。今このときの幸せを、こうして確かめることができる。
    ★いい面構えをしてやがる。…。金物の味を知らなくたって、貧乏を知っていりゃあいい
    ★李自成の自白「なぜ戦おうとしなかったのか、自分でもわからない。龍玉を手にしなければ必ず負けると信じていた」。

  • 【読了メモ】(150505 12:10) 浅田次郎 『中原の虹』(三)/講談社/2007 May 15th

  • 第一巻にて

  • 2013/09/05 【古】 105円

  • この巻では袁世凱が偉大なる俗物として描かれ、存在感が大きくなりますが、主人公が誰だったかが分からなくなるほど、目まぐるしく描かれる対象が入れ替わり、少し複雑でした。いよいよ孫文による辛亥革命が起こり、最後の皇帝溥儀の退位、袁世凱の大総統就任と歴史が動き出した感じです。そして日本に留学している蒋介石、宋教仁らが登場してきます。張作霖、春雷・春雲・玲々の3兄弟妹らがこの巻ではあまり描かれていないことは少し寂しいです。

  • 趙爾巽の人品骨柄が印象に残った。
    清廉、有能、不屈と三拍子揃った能吏。当然(?)出世コースから外れるかと思いきや、なんの間違いか地方行政の立て直しに辣腕を振るい、結果として張作霖台頭の地盤を築くことになる。
    しかしその退際は鮮やかで、とても格好いい。 

    また、この巻は張作霖の人物描写にさらに迫っており、
    ときに峻厳に、ときに放埓に見える彼の行動原理を示してくれる。
    袁世凱に関しても、過去に重圧に耐えきれず死にかけたエピソードが入ることによって、その人間性に対する見方がガラリと変わってくる。
    人物解釈がいちいち面白い。

  • 資料ID:W0141410
    請求記号: 913.6||A 81||3
    配架場所: 本館1F電動書架C

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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