主題歌

著者 :
  • 講談社
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142151

感想・レビュー・書評

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  • 女の子好きの女話がテーマというところと、装丁の美しさに惹かれて買ったけど、初柴崎友香は合わなかった。。というか読みにくかった。主語がコロコロと変わる小説って苦手なのだよな。

  • 女子好き女子は自分を含め身近にいるので、不思議でもなんでもない。
    そこを、かわってるかもって書くのに、目から鱗でしたわよ。

    柴崎さん読んでみたことなかったけど、読むのに感覚養わないと読めないなぁと思いました。ジャンプ読むのに訓練がいるみたいな感じ。
    描かれる場でのことをすべて写しとりたい人なのかしら?と思いました。

  • かわいい女の子やきれいな女優を見ていると、それだけで幸せな気持ちになる(同性愛ではない)、という女子好きの女の子たちの物語。

    女子好きの女性は現実にたくさん存在すると思うので、今まで小説の題材にならなかったのは不思議。
    あんまり認知されていないからかな?
    柴崎さんの小説を読むのは初めてだけど、私も女子好きとしてすごく楽しめた。
    なぜかわいいと思うのか、自分が分析しないことにもどかしさを感じつつもそのままにしてしまう主人公の気持ち、よく解る。
    今この瞬間を愛しむ気持ちは女の子ならでは、なのかも。

    会社の窓から差す日差しが午後になると照らす位置が変わる、というような何てことない日常の情景が丹念に描写されている。
    こういう一見無駄に見える場面や描写が物語にふくらみを持たせていて、それによって、淡々とした物語が饒舌で豊かになっている感じがした。

  • 初、柴崎作品だったんだけど・・・。
    私に読解力がないのか、終始何が書きたいのか、いったい何の話なのか全くわからずに読了。
    文体自体は柔らかくて嫌いじゃないんだけど・・・。

  • 好きな作家だけれど、何だか伝わってこなかった残念な読み応え。描写はいいけれど、もうちょっと深みを持たせてほしかったような。よくわからなかったなぁ。間延びしたような空間使いはいいのだけれど。

  • 「テーブルの真ん中に置かれた赤い花は、来たときよりも少し開いていた。窓の外に見えるものは夜の空だけだった。」

    柴崎友香の小説は出版の度、ほぼデビュー時から追いかけて来ている。出される度、その淡淡として一瞬で消えてしまいそうな彼女の文章をできるだけゆっくり読むことを意識して来たように思う。それは逆に言えば、するすると読んでしまいたい衝動をこらえながらの読書であったとも言えるものだ。それがどうだろう、この「主題歌」を読み進める速度の無意識のうちの遅さは。特に自らにブレーキを描けることもないのに、意外な程に先へ進んでいかない。不思議な感慨に襲われる。

    元々、柴崎友香の小説には、一気に読んでしまっても何かがずしりと残るという類のものではないと思う。むしろ何気ないように見える風景の変化や描写が、けっして決定論的ではない物語の流れをうまく掬い上げているところを読み落とさないように注意していないと、口に入れた瞬間に解けてしまう泡菓子のように手に取ったという感覚だけを残して跡形も消え失せてしまう危険すらある。それでいて「ジャームッシュのようだ」という保坂和志の評にあるような深い印象を残す文章が、彼女の、そして彼女にしかない特徴であると思っている。

    恐らく「主題歌」において、物語のながれにおける抵抗感の無さは更に先にいってしまっているのではないか。水の中に一滴だけ絵の具をたらして作った色水で、限りなく透明に近いようでいて読む人ごとに色合いが変化してしまうような風景を柴崎友香は描き出し始めたのではないか、という予感がする。ダウン・バイ・ザ・ローからナイト・オン・ザ・プラネット、コーヒー&シガレッツへの変化のような。

    もしくは、それは柴崎友香の迷いのなせるものなのだろうか。何か意図的でない、物語性を意識することのない小説を書いてきたことに対する迷い、あるいは意図的でないことを意図して書こうとするアンバランス。いずれにせよ、本書の柴崎友香は、ぽつりぽつりと短いブレスを取りながら語っている印象が残る。

    自由に、受け取った刺激をその年齢の彼女が感じたままに描くことを更に期待したい。その先に何が待っているのかが知りたい。

  • 読書開始日:2022年1月4日
    読書終了日:2022年1月5日
    所感
    手応えが無い。
    三作とも関係していそう
    【主題歌】
    可愛い女の子がただただ好きな女の子たちの話。
    女の子同士が「可愛い〜」と言い合うことは学生時代から良く目にした。
    あれは全て挨拶程度にしか思ってなかったが、中には本気も混じっていたのだと思う。
    尊いんだろう。
    【六十の半分】
    三十の倍やったら、けっこう最近のことやん。六十と三十の、歳への考え方の違いか
    【ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド】
    興味の無い人間の、無味無臭で温度も無い描写がリアル。
    興味のある人間には、自分が見たもの感じたもの全てを知って欲しい。あわよくば笑顔になってほしい。だから色も輪郭も温度も帯びる綺麗な世界が現れる。
    興味のある人間はいずれ現れる。
    三作の中で一番好きかも。

    【主題歌】
    白いシャツが似合うっていうのもええねん。制服っぽく無くて、身についてる感じ
    自分の胸元なら赤い染みがないことを確認して満足そうに微笑んだ。その小さなできごとに気づいていない小田ちゃんは
    気まぐれで洋治が作った
    「心の傷」や「癒される」をまったく軽い言葉として、わざとらしくそういった
    臙脂色
    【六十の半分】
    逆。思い切りが悪いから、形を先に決めて気持ちをついて行かせてるねん
    【ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド】
    吹雪みたいな、白い光。冷たくないかわりに、あつくない

  • 収録されている三つの話どれも二十代後半、三十代前半くらいの人たち目線の話。

    本を読んでいる自分と同じくらいの年頃の人たちの群像は、自分と比べ物にならないくらい充実していた。仕事、友情、恋愛、趣味、結婚。日々悩んだりしながらも、周囲の人と励まし合って生きている彼女たち。きっと、この人たちのSNSのフォロワー数はとんでもなく多いんだろうな、と思った。スクールカースト上位の人たちが大人になった姿、みたいな感じ。

    話のなかの20代後半、30代前半でイケてる人たちの姿は自分の住む世界とは別物みたいだった。彼女たちはこのままイケてる40代、50代になっていくはず。マッチングアプリなんて一生使うことはないだろう。そんなふうに思った。

  • 初読みです。柴崎友香さん。
    割と明確に女性対象で描かれているように感じられたので、そういう意味で自分には初読みには適さなかったかなと。

    文章は独特かつ悪くないスピード感・浮遊感を感じられるので、テーマが自分に合えば気に入りそうな気はします。

  • とりあえず装丁のかわいさにやられて手に取った1冊

    日常の一コマをそのまま小説にした感じ
    いつもの柴崎作品でした

    「女の子だって、かわいい女の子とか美人さんとか
    見ると嬉しくなったりするよね?」
    っていうのが今回の内容だったので、とっても共感!
    街でかわいい子探しちゃうなんてよくある話です

    この気持ちが男の子にどこまで理解されるかなー?

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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