- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062143288
作品紹介・あらすじ
素朴で真面目で礼儀正しくて。一見ふつうの5年生だけど彩乃ちゃんには、見えている。周りの人のちょっとした未来。うまくいかない相手と仲良くする方法。幸運をよぶ少女と迷える人たちのひと夏のできごと。注目の著者が描く優しいファンタジック・ストーリー。
感想・レビュー・書評
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ほっこりの一冊。
とても癒された。
小学5年生にして、とある宗教の教主さまと言われる彩乃ちゃん。
その彩乃ちゃんと出会った三人のひと夏の物語。
終始不思議さを纏う彩乃ちゃんは大人びているけれど時折のぞく少女らしさにほっこり。
誰もがちょっとだけ抱える心の曇り。
彩乃ちゃんがその曇りを敏感に察知し未来を願う気持ちに更にほっこり。
人の幸せを願う人は絶対に自分も幸せになれるはず。
大切なプレゼントはお守りだね。
暑さも和らぎ、ちょっとお疲れ気味の心身にいただいた彩乃ちゃんの優しさと可愛らしさ。
それが読後の今、とても心地よい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
彩乃ちゃん、小学5年生。とある教団の教祖様の孫娘。教主さまとして不思議な力を持つらしいのですが・・・
付き合って三年の恋人との将来に悩む智佳子の「夜散歩」
夏休みのボランティア課題で始めた里山再生の一環「石階段の発掘」を続ける徹平の「石階段」
東京から引っ越してきて以来、家族や同級生との距離を掴めずにいる佳奈の「夏花火」
期間にしたらほんの少し。でも彩乃ちゃんと関わった人たちは彼女に小さな幸せを分けてもらいます。
生まれながらに背負うものを抱えた彩乃ちゃんは、自分の運命を達観しながらも普通の生活に憧れていて。それがせつない。
シャネルの真っ赤なマニキュア、貝殻のシルバーネックレス、ビーズの指輪。彩乃ちゃんの宝物が彼女自身も幸せに彩ってくれたらいいなぁ。 -
小学5年生の彩乃ちゃんは、教主さま。
教主というのは、教えを体現し導く人、らしい。
彼女には特別な力が備わっているようで、少し先のことが視えたりするようだ。
そんな彩乃ちゃんが、とある事情から一夏の間に出会った3人の、ちょっと先の未来を少しだけ明るく指し示して導いていく。
派手な超常現象なんて起きないけれど、ほっこりとした雰囲気と、ちょっとだけ不思議さがあるお話。
「きっといいことがあるよ」
という彩乃ちゃんのことばは、とても強い希望のことばだと思う。
彩乃ちゃんみたいに、先を見はるかす特別な力はなくても、
このことばを胸に刻んでおけば、希望ある明るい方を見続けること、できる気がするのだ。 -
ほのぼのと、いいお話し
タイトルって、どう?? -
5月の風みたいなお話。軽やかで、爽やかで、でも気付く頃には通り過ぎている。私が通ってきた道では、どれだけの人が幸せになっただろう。
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テーマ的にちょっと怪しげな話かと思ったけど
そんなことはぜんぜんなく。
やっぱり橋本さんの作品はじーんときてほっこり。 -
2017/9/12(火曜日)
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2012.5図書館本。
タイトルからも想像できるとおり、とある宗教の教主が彩乃ちゃん。
教主と教祖の違いなんて、この本で初めて知った。
・第一話:夜散歩
・第二話:石階段
・第三話:夏花火
一話から三話につながる小道具の使い方が良かった。古来からある宗教はともかく、口が上手いだけの普通の人間に貢ぎ続ける新興宗教とか全く理解できない私は、そんな人達の言葉など全然ありがたいとは思わないが、この彩乃ちゃんの言葉だったら素直に聞いちゃうかもしれない。そして、少し幸せなことがあって喜びたい(笑)
それくらい宗教色のない話。 -
面白かった
彩乃ちゃんには会ったことはないけど、見えない彩乃ちゃんみたいなものがこのお話みたいに幸せを繋いでくれてるんじゃないかな、と思えた。